カテゴリー「映画ー英数」の16件の記事

大画面の醍醐味ーー『LIFE!』『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』

毎月14日はTOHOシネマズデイで、TOHO系の映画館は1100円(増税で100円上がった)で映画を観ることができる。
お得な時には効率よくハシゴしたいってことで、有楽町・日比谷にあるTOHO系9館のスケジュールをチェック!が、観たい映画がうまくハマらないの。どうしても間が1時間以上空いてしまって、出かけられる時間内で2本しか観られない。六本木とか日本橋まで射程にいれても、移動時間を考えるとどうしてもうまくハマらない。

しょうがないんで2本。TOHOシネマズ日劇3で『LIFE!』とTOHOシャンテ3で『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』。

『LIFE!』
予告編をチラ見する限りあまり好みではなさそうで観るのをためらってて、始まってしばらくはやっぱり苦手かもーと思いながら観てた。真顔のベン・スティラーの引き締まった体が動き出す瞬間が美しくて、だんだんハマる。すっきりさわやか不思議な手触りは、けっこう好きかも。むやみに感動を盛り上げないことが好ましく、そして、現実が妄想に勝っていくのにはやはり感動。

話し的にはほぼ最初の段階でオチまで分かってしまうようなものだけど、オールド・スクール(ヒロインの台詞にある)でいいじゃない。NYからグリーンランドへ。ヘリコプターで船へ。船からアイスランドへ。自転車、駆け足、スケボー。アイスランドの美しい景色をスケボーで滑走する場面の素晴らしさに、スクリーンで観る楽しさ満喫。音楽に詳しくない自分でも楽しい曲の数々。妄想と現実が溶け合った『スペース・オディティ』にグッときた。壮大な風景のギンギラ美しい色合いは愛用してたコダクロームを思い出して、それにもしんみり。フィルムで写真撮りたいなぁ。ショーン・ペンのカメラはF3/Tだった。

でも、25コマ目はあれでいいのかなぁ。普通であるからこそ、もの凄い感動にはならなくて(あのいけ好かない人たちが素直に表紙にするのもホントかなと思ったり)だからいいのかもしれないけど。

『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』
たった一人の俳優を信頼した監督と、それに応えたロバート・レッドフォードと。どちらも凄い。ほとんど台詞なしのロバート・レッドフォードで106分。大海原とヨットと男。次々と襲って来る自然の猛威に、やるべきことをやるだけと、淡々と作業する、その積み重ねに引き込まれ、最後は自分と向き合わされてしまう。老いたロバート・レッドフォードのすこしおぼつかない、でも確実な手さばきに見入った。

大自然の猛威を表す、嵐、暴風、大波、浸水、ヨットの軋む音。疑似体験できるのは、大画面と大きな音に包まれて観なくちゃダメ。シャンテは小さめなので、物足りなくはあるけれど、やっぱり映画館で観たい映画。

遭難ものというだけじゃなく、孤独との闘いに『ライフ・オブ・パイ』を。波の音、ヨットの軋む音、風の音に『リヴァイアサン』を思い出した。

『O侯爵夫人』『ヒロシマ・モナムール(二十四時間の情事)』

シネマヴェーラ渋谷の特集“ヌーヴェルヴァーグはもうすぐ50歳になる”で2本。
上映スケジュールから予定を立てた時に、これらが2006年最後の映画になることは決まっていた。

サッシャ・ヴィエルニが撮影監督の『ヒロシマ・モナムール』(アラン・レネ監督)がお目当てだったのだけど、『O侯爵夫人』(エリック・ロメール監督)の素晴らしさにノックアウト。とてもとても気に入りました。
これが、2本立ての醍醐味! 

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『M:i:III』

Miiii このミッションが本当にインポッシブルなのかは、よくわからないけれど、、

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『新学期・操行ゼロ』『D.I.』ーBOW30映画祭ー

ちょっと変わった2本立て。
1933年のフランス映画と、2002年のフランス&パレスチナ合作映画。
今回のラインナップ中で、最古作と最新作の組み合わせ。

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『13歳の夏に僕は生まれた』

13natsu 13歳の少年サンドロの夏。
たった数日間の体験で、大人へと変化していく少年を描いていて、苦いけれども瑞々しい。

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『71フラグメンツ』

再追加上映 これが最後だ!!ハネケ映画祭」のユーロスペースへ。
ワタクシ的にも、これが最後。
短い期間にハネケ作品を5本!ハネケにどっぷりと浸かって、疲れ気味。

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『Respect 川本喜八郎』プログラムB

プログラムA(感想はここ)に引き続いて、プログラムBも鑑賞。

『旅〜2006 Remix ver.〜』 2006年/12分
1973年の切り紙アニメ。池辺晋一郎が新たに提供したという曲がよい雰囲気。
旅した先は、キリコ、マグリット、ダリの絵のようにシュールな世界。藤子不二雄(A)や諸星大二郎の漫画も思い出した。

『詩人の生涯』 1976年/19分
安部公房原作の切り紙アニメ。
くすんだ色彩のなかに、母の血の色にそまった赤いジャケツ。このぬくもりが、愛であり、希望なのだ。
でも、ジャケツにはなりたくないものだ。ジャケツジャケツ

『火宅』 1979年/19分
プログラムAでみた『鬼』『道成寺』に続く、不条理三部作の最終作。
能「求塚」をもとにしている。自分に求愛する2人の男をどちらかを選ぶことができずに自らの命を絶った乙女が、地獄に落ちて苦しみ続ける、という恐ろしい話。
川に吹きすさぶ風の表現が素晴らしい。

『いばら姫またはねむり姫』 1990年/22分
岸田今日子作のおとなの童話をアニメ化。チェコのトルンカ・スタジオでの里帰り製作。
母と同じ男を愛してしまった姫君の悲しみ。
ヨーロッパの物語をヨーロッパで作ったことによる説得力。
ベッドシーンまであって、髪の毛の乱れや胸の上下するさま、そのエロティックさにめくるめく。そして、少女から女に変わったことが妖しくも美しく伝わってくる。
ラストシーン、絶望の微笑みと一粒の涙が、全てを語っているようだった。
ず〜っと、みたかった作品。素晴らしかった。うれしい。

ユーロスペースにて(公式サイト

『Respect 川本喜八郎』プログラムA

kawamoto 先日観た『死者の書』に続いて、川本喜八郎作品を堪能できる短編集。

キャッチフレーズは
「世界の"KIHACHIRO"を日本人だけが知らない…」
って、どこかで聞いたような。

『アサヒビールCM集』 1959年/約5分
TV西部劇シリーズ「ララミー牧場」の番組内で使われたという、西部劇調のCM。
みたことはないけど、懐かしい気がしちゃう。つられてビールを飲みたくなる♪

『花折り』 1968年/14分
壬生狂言に題材を得たデビュー作だそう。日本的な人形の顔が面白い。単純なおはなし。花見と酒とおおらかな笑い。

『犬儒戯画』 1970年/8分
犬たちが疾走するドッグレースで突然の停電。暗闇の中での実況放送。前衛っぽさが漂い、風刺がチクリ。

『セルフポートレート』 1988年/1分

『鬼』 1972年/8分
「今昔物語」の話。中世の夜の暗黒の中、猟師の兄弟に襲いかかったものは‥
意図が不明な物語はそれだからこそ生々しく、人形ならではの不思議な雰囲気。

『道成寺』 1976年/19分
台詞がないことが、更に恐ろしさを増している。男に騙されたと知って追いかける女、その髪の毛がおどろに揺れて、執念の凄まじさを表している。
ラスト、桜吹雪とともに安珍の骨が砕け散っていく表現が素晴らしい。
このプログラムでは、これが白眉。

鶴澤清治作・演奏の曲が雰囲気を盛り上げていた。

『不射之射』 1988年/22分
原作は、中島敦の「名人伝」。弓の名人を目指した若者の修行の歳月。まばたきをしないようにする修行は、人形だから簡単なのだ。道を極めた時に、たどり着いた境地は、凡人には理解不能。妻の存在が気になった。

プログラムBも観たいんだけれど、もうすぐ終了。(3/15まで)

*3/10にプログラムB鑑賞。(感想はここ

ユーロスペースにて(公式サイト

『PROMISE ー無極ー』

映画公開直前に、真田広之がこの映画について語っているのをNHKのニュースでみた。彼は、自分の声を使って欲しいと監督に希望し、中国語をかなり努力して勉強したらしい(びっしりと書き込みをした台本をみせていた)。で、最終的にOKが出て、アフレコをしたけれど、3日の予定が3週間かかってしまったと言っていた。
努力すればいいってもんではないし、必ず結果を伴うわけではないけれど、彼の姿勢は素晴らしい。
『ラスト サムライ』では、出番がない時でも現場でアドヴァイスをしたりとか、『亡国のイージス』の海外(カンヌだったか?)プロモーションをこなしたりとか、彼の情熱は美しい。

ということで、『無極』の感想。
promiseいきなり、牛の大群がCGくさ〜いことに度肝を抜かれる。奴隷の大群もしかり。
実写との親和性が全くないので、作り物であることを隠す気持ちがないのかと疑うほど。そのわりに、長いこと画面に映し出されているので、ちょっと脱力。特殊視覚効果(VFX)スーパーヴァイザは、『少林サッカー』『カンフーハッスル』のセントロ・デジタル・ピクチャーズなので、誇張されたマンガチックなものになることを監督は意図しているのかもしれないけれど、どうなんだろうか。
で、音が大きい劇場なのをいいことに、大笑いしてしまった。

チャン・ドンゴンが、牛の群れに追われて四つん這いで猛スピィドで走るのだ。ご主人様を背中に乗せて、ぐんぐん立ち上がって谷を駆け上っていくところはかなりなもの。

その他のツボは、“セシリア・チャンの人間凧”“ニコラス・ツェーの持っている手の形をした杖”。杖は、“親指を立てたやつ”と“人差し指を立てたやつ”を使い分けしていたようだった。

あらかじめ定められた運命に挑戦する、という壮大な物語の構造はほとんど機能していないように思えるけれど、俳優たちの演技でそれなりに見せてくれた。特に、ラストのシークエンスは、勢揃いでやり合ってて面白かった。
大将軍・光明役の真田広之は、中国語の台詞をモノにしてるし、色気もあった。彼のラヴシーンは初めて見たかも。額のしわに年齢を感じて、ちょっと悲しかったりもしたけど、華鎧がとても似合っていた。
キャストのなかで、最初にクレジットされている、奴隷・昆崙役のチャン・ドンゴンは、素直すぎて物足りない。役としては、おいしいと思うんだけど、、というか主役なのだった(多分)。
憎まれ役の悪い人、北の公爵・無歓役のニコラス・ツェーは、“指差し杖”の威力もあって、とても目立っていた。悪役のキャラが立っていると、お話しは盛り上がるもの。彼の行動が物語を引っ張る、影の主役なのかも。
そして、無歓の手先、黒衣を纏った刺客の鬼狼役リウ・イエも、哀しげで渋い味を出していた。

真田広之以外の北京語ノンネイティブの俳優たちは、吹替えだったのだろうか?
声を知らなければ、それなりに聞こえるということかしら。

サロンパス ルーブル丸の内にて(公式サイト

監督/脚本:チェン・カイコー
撮影:ピーター・パウ
出演:チャン・ドンゴン、真田広之、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、リウ・イエ、チェン・ホン

無極 2005  中国=日本=韓国

『THE 有頂天ホテル』

三谷幸喜監督作品。主要キャストだけでも23人(と1羽)の群像劇。

uchoten三谷作品といえば、バラバラな人々がそれぞれの個性を発揮しながら、一つにまとまっていき、大団円を迎える物語が、なんとなく現実離れして作り込まれた場所で展開するというものを想像する。この映画もそうだった。23人(と1羽)もの登場人物を混乱させることなく、きっちりと描く手腕は見事だと思う。

老舗ホテルを舞台にして、大晦日に繰り広げられる<働くホテルマン>と<訳ありの宿泊客たち>のやり取りが、ホテルの威信をかけた年越しカウントダウンパーティーへ向かって展開する、という物語。

乗れそうなところで乗り切れない思いを抱いてしまうのは、どうしてなのだろう。
強引にお話しが展開するのはいつもの三谷節だとは思うけれど、やはり描き込みが不足している感は否めない。こう展開したいんだろうな、と冷静に考えてしまう。
時々芝居が大げさになって、周囲に人がいないかのように感じられてしまうのは、舞台っぽい演出のせいなのか。全体的に、トーンが不統一でまとまりがないような気がしてしまう。
細かいところでは、結構笑えたけれども、大団円に向かう高揚感を感じることができなかったのだ。

この映画世界にハマっていて面白いと感じたのは、アシスタントマネージャー役の戸田恵子、議員秘書役の浅野和之、筆耕係役のオダギリジョー、演歌歌手の付き人役の梶原善、といった面々。
逆に、今ひとつだと思ってしまったのは、副支配人役の役所広司と客室係役の松たか子。特に、役所広司は顔が深刻すぎて、ホテルの副支配人にみえない。

ラスト近くに、汚職国会議員役の佐藤浩市と役所広司が2人になってのやり取りは、さすがに聞かせてくれたけれど。

ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズにて(公式サイト

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