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MD- Marguerite Duras 特集:映画作家マルグリット・デュラス

アテネ・フランセ文化センターで『MD- Marguerite Duras 特集:映画作家マルグリット・デュラス』。上映された9作品のうちの5作品を観ることができた。

特に、『インディア・ソング』と『ヴェネツィア時代の彼女の名前』を続けて観られたことが良かった。全く同じサウンド・トラック!ということにすぐ気づくことができたもの。チラシに書いてあったことを後から読んで知ったのだが。。字幕も同じだったら良かったのになぁ。

「オフの声」っていう発明が凄い。誰が話してるか分からないのって、物語の枠が曖昧になって語られてる時間や空間が宙に浮いて、映されてるものが夢とか残像のように思えてくる。そういうフワフワとした感覚にうっとりしながら観てた。

その感覚が最も強かった『ヴェネツィア時代の彼女の名前』には、クラクラとすっかりまいってしまった。次の上映作も観ようと思ってたけど、余韻に浸りたかったので家に帰ってしまったくらい。はぁ。脳内でインディア・ソングがずっと繰り返されてる。

声と演じる人が一致してないのって、人形浄瑠璃みたいだけどそれとは違う。だから、一瞬思い出したク・ナウカとも違うんだよなー。

以下、観た順番に。

『オーレリア・シュタイネル メルボルン』

セーヌ川をゆっくりと移動する船からの撮影。ゆったりと流れる風景にデュラスのモノローグが重なる。夕暮れ時の柔らかい光。逆光。オーレリア・シュタイネル、18歳。愛の言葉。カラー。

監督・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ピエール・ロム 編集:ジュヌヴィエーヴ・デュフール
出演:マルグリット・デュラス(声)
1979 Aurélia Steiner (Melbourne)

『オーレリア・シュタイネル ヴァンクーヴァー』 

ノルマンディの海岸。貨物駅。オーレリア・シュタイネル、18歳。世界中に遍在してるオーレリア。父と母の死。モノクロ。

監督・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ピエール・ロム 編集:ジュヌヴィエーヴ・デュフール
出演:マルグリット・デュラス(声)

1979 Aurélia Steiner (Vancouver)

『ナタリー・グランジェ(女の館)』

母親と女友達、娘のナタリー。ナタリーは、暴力行為から退学させられようとしている。ラジオから流れる、未成年の無差別殺人者たちのニュース。ナタリーと音楽との関わり。館の鏡。突然訪れるセールスマン。ジャンヌ・モロー格好良い。若きジェラール・ドパルデュー。

監督・原作・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ギスラン・クロッケ 編集:ニコール・リュプチャンスキー
出演:ルチア・ボゼー、ジャンヌ・モロー、ジェラール・ドパルデュー
1972 Nathalie Granger

『インディア・ソング』

生っぽいアジアな響きの歌声と、太陽が印象的な冒頭。フランス語の響きとアジア(ラオス語?ヒンズー語?)な言葉の響きの違いにハッとしたり。ゆっくりじっくり動くカメラと、静止画のような人物たち。鏡の中の人物たち。オフの声が響いて、空間や時間が曖昧になっていく。その場が見せている夢なのか、再生された記憶なのか。その不思議な感覚にうっとりしながら観てた。

監督・原作・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ブリュノ・ニュイッテン 編集:ソランジュ・ルプランス
出演:デルフィーヌ・セイリグ、マチュー・カリエール、クロード・マン
1974 India Song

『ヴェネツィア時代の彼女の名前』

前日観た『インディア・ソング』と全く同じサウンド・トラック。『インディア・ソング』の舞台が廃墟となって映し出される。更に、建物が見た夢なのか再生された記憶なのか、という感覚が強くなった。廃墟の映像って恐ろしいと感じてしまうことが多いのだが、ここで映される廃墟の、なんて甘く美しいこと。自分も、建物に取り込まれて夢の要素になってしまいたい気がした。余韻にどっぷり浸る。

監督・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ブリュノ・ニュイッテン 編集:ジュヌヴィエーヴ・デュフール
出演:デルフィーヌ・セイリグ、ニコール・イス、ミシェル・ロンスダール
1976 Son Nom de Venise dans Calcutta Désert

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