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2010年2月のまとめ

2010年の2月に観たものをまとめておきます。観た直後の感覚って、案外残らないものです。感想自体はメモ帳に書いているんですが、思い出せるものもあり出せないものもあり。

上位2本は甲乙つけがたく。さらに次の2本も好き。

『カティンの森』 事件を風化させてはならないというアンジェイ・ワイダ監督の思いが伝わってくる静かな感動作。事件そのものを糾弾しているわけではないからこそ、こういう状況を作ってしまう戦争について考えさせられました。
『オルエットの方へ』 ジャック・ロジエ監督は特集上映された作品を全部観ました。特集タイトル“ジャック・ロジエのヴァカンス”っていうのが納得できました。ヴァカンスのために働くフランス人っていう言葉を思い出したり。ヴァカンスって楽しいけど寂しい。

『倫敦から来た男』 実は期待していたよりも普通って思ってしまいました。なので、順位は下。それでも、冒頭の目撃シークウェンスなど映像の凄さを体験しました。
『パイレーツ・ロック』 船上の放送局がロックを流しまくるっていうのが素敵すぎる。キャストも最高。ビル・ナイもリス・エヴァンスもフィリップ・シーモア・ホフマンも。悪役のケネス・ブラナーには腹が捩れるかと思った。

カティンの森
オルエットの方へ 


倫敦から来た男
パイレーツ・ロック

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『カティンの森』

1939年。ドイツ軍から逃げてきた人々とソ連軍から逃げてきた人々が、鉄橋の上で出会ってしまう場面からはじまる。大国に抑圧されてきたポーランドの歴史が、そこに凝縮されているよう。

ソ連軍の捕虜となったポーランドの将校たちが虐殺されたカティンの森事件。世界史で習うのはそこまでだが、ポーランドの悲劇は戦後も続いていた。

さまざまな立場の人が描かれていて、それぞれに共感できてしまうのがツラい。
体制を受け入れる人。真実を守ろうとする人。諦める人。闘う人。
絶望的な状況の中で誇り高く未来を語る人には、やはり感動してしまう。
収容所のクリスマス。大将が「職業軍人以外は皆生き残れ。君たちはポーランドの未来に必要な人たちなのだから。」というようなことを言う。将校には教師や学者や技師などがいるのだ。事件が起こることが分かっているから、余計にずっしりと心に残る。
大将の奥さんもまた、凄い。ソ連の嘘を告発する勇気。他にも誇り高い女性がたくさん描かれていた。
レジスタンスの青年が逃げる途中に上がった屋根からみたクラクフの景色が美しくて、なのに、この街がポーランド人のものでないという悲しさ。

機械的に作られる死体の山。無造作に埋められる死体。

カティン事件についての真実を語ることがどんなに難しかったのか。ソ連が崩壊したことによって作ることができた映画なんだよなーと思いつつ、完成し観ることができた自由をかみしめる。

『ロープ』(野田秀樹作・演出)でタマシイが語った言葉“あったことをなかったことにしてはいけない”を思い出す。歴史を修正しようという試みはいつでも行なわれていて、それを食い止めるためには真実を語り続けなければならない。

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