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『倫敦から来た男』

まさしくフィルム・ノワール。白と黒の世界で展開する人間ドラマ。

映像の凄さに触れない訳にはいかない。ゆーっくりと動くカメラ。光と影は完璧に制御されている。暗闇にかすかに蠢く人影。路地を静かに照らす街灯。キャスティングは、シワの美しさで決めたのでは?と思えるくらい、それぞれの顔に現れた陰影が素晴らしく絵になるのだった。

鉄道員マロワン。朝仕事が終わったら馴染みのカフェで一杯。店主とチェスして、妻の待つ家に帰る。食事して寝る。多分毎日が同じ単調な生活。
でも、ある日大金を手に入れてしまった。
そこから少しずつ不穏な空気が加わっていく緊迫感がたまらない。

娘が勤めている雑貨屋に行って仕事を辞めさせる時、店のマダムが浴びせる罵声と店員が肉塊を“ダーン”と叩き切る音。
娘に分不相応な毛皮のマフラーを買ってあげる時、店員たちが矢継ぎ早に投げかけるセールストーク。
マロワンの日常が少しズレてきて不気味で笑えちゃうかんじ。好き。

言葉じゃなくて、顔と風景と音が世界を語る。

海沿いのロケーションがまた素晴らしいのだ。船から降りたらすぐに駅がある。港と線路がみえる“ガラスの檻”。
ロケ地の港についてクレジットに書いてあったと思うんだが、読み切れず。

London

『ヴェルクマイスター・ハーモニー』も上映中。かなり前に観たのに、予告編のイメージはしっかり覚えていた。行かなければ。

2010.2.7 シアター・イメージフォーラム1F

監督:タル・ベーラ
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー、タル・ベーラ
共同監督・編集:アニエス・フラニツキ
撮影:フレッド・ケレメン
美術:ライク・ラースロー
音楽:ビーグ・ミハーイ
出演:ミロスラブ・クロボット、ティルダ・スウィントン、ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ、レーナールト・イシュトバーン、スィルテシュ・アーギ

The Man from London 2007 ハンガリー/ドイツ/フランス

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