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『二月大歌舞伎』昼の部

“十七代目中村勘三郎二十三回忌追善”です。

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一、「爪王(つめおう)」 長唄囃子連中 戸川幸夫作 平岩弓枝脚色
日本昔話ってかんじの美しい舞台だった。長唄も美しい。
鷹匠と白鷹。吹雪という名の美しい鷹は七之助。悪い赤狐を退治するよう頼まれて、戦うが、、というお話し。狐の勘太郎も美しげな拵えなものだから、戦う最中に恋が芽生えて禁断の恋に、、と勝手に思いながら観ていたんだが、そーではなくやはり昔話風。赤狐なんだから、衣裳も赤っぽくしたほうが良かったのでは。赤い狐って難しそうだけど。

二、平家女護島「俊寛(しゅんかん)」近松門左衛門作
俊寛は勘三郎。案外あっさりとした俊寛。ヨロヨロもわざとらしくないし。若い頼康や成経に慕われる情の深さも感じられ、自ら島に留まる決意をするのにも納得なんだが、船出前に全て諦めてるかんじがありあり。幕引きのタイミングが難しそう。
梅玉の丹左衛門はすっきり、良い。左團次の瀬尾はいつも通り憎々しい。七之助の千鳥は元気あり過ぎやり過ぎ気味。福助に教わったのかな?

さよなら公演で絶対に掛かると思ってた人気演目なんだが、でもやっぱり好きじゃないみたい。俊寛の心に寄り添って気持ちが上がったり下がったりすることができないので、ちょっと退屈気味。

三、十七代目中村勘三郎二十三回忌追善「口上(こうじょう)」
しばらく休演していたと聞いていた芝翫だが、先代との関わりとか当代が娘婿で云々とか孫も、、などなどたくさん語っていた。声は小さかったけどお元気そうで何より。仁左衛門、玉三郎、三津五郎と、いろいろなエピソードがたっぷりと語られ、先代が愛されていたことを実感。
前回の追善はいつだったか。当時は勘九郎だったと思う。

四、「ぢいさんばあさん」 森鴎外原作 宇野信夫作・演出
夫婦の情愛を描いてベッタベタの展開なんだが、だからこそ役者の芝居がものを言う。仁左衛門と玉三郎の夫婦に気持ちよく泣かされた。

一幕目でおしどり夫婦の甘い別れをみせ、二幕目では帰れなくなる事件が起き、三幕目で三十七年ぶりの再会となる。
伊織の鼻をさわるクセ。るんから渡されたお守り。坊やの死。三十七年という長い年月を経た二人を表す分かり易いあれこれに泣ける。

仁左衛門の伊織は可愛いく格好良く、るんの玉三郎も美しく、ベストな配役。年取った伊織も可愛らしい仁左衛門なんだが、玉三郎は老けメイクが凄過ぎでちょっと怖い。特殊メイクにし過ぎでは?
脇も充実。昼の部はこれで大満足。

美濃部伊織:仁左衛門、下嶋甚右衛門:勘三郎、宮重久弥:橋之助、妻きく:孝太郎、石井民之進:市蔵、戸谷主税:桂三、山田恵助:右之助、柳原小兵衛:秀調宮重久右衛門:翫雀、伊織妻るん:玉三郎

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『倫敦から来た男』

まさしくフィルム・ノワール。白と黒の世界で展開する人間ドラマ。

映像の凄さに触れない訳にはいかない。ゆーっくりと動くカメラ。光と影は完璧に制御されている。暗闇にかすかに蠢く人影。路地を静かに照らす街灯。キャスティングは、シワの美しさで決めたのでは?と思えるくらい、それぞれの顔に現れた陰影が素晴らしく絵になるのだった。

鉄道員マロワン。朝仕事が終わったら馴染みのカフェで一杯。店主とチェスして、妻の待つ家に帰る。食事して寝る。多分毎日が同じ単調な生活。
でも、ある日大金を手に入れてしまった。
そこから少しずつ不穏な空気が加わっていく緊迫感がたまらない。

娘が勤めている雑貨屋に行って仕事を辞めさせる時、店のマダムが浴びせる罵声と店員が肉塊を“ダーン”と叩き切る音。
娘に分不相応な毛皮のマフラーを買ってあげる時、店員たちが矢継ぎ早に投げかけるセールストーク。
マロワンの日常が少しズレてきて不気味で笑えちゃうかんじ。好き。

言葉じゃなくて、顔と風景と音が世界を語る。

海沿いのロケーションがまた素晴らしいのだ。船から降りたらすぐに駅がある。港と線路がみえる“ガラスの檻”。
ロケ地の港についてクレジットに書いてあったと思うんだが、読み切れず。

London

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2010年1月のまとめ

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大雷蔵祭に行ったり、早稲田松竹や新文芸坐に通ったり。
明らかに違うジャンルの作品たちを比べるのは無謀な試みですが、とりあえず。
上位3本は横並び。
『スタンド・バイ・ミー』 多分TVでみたことあったんだと、後から思い出しました。でも観ている時は初見と思ったほど別もの。やっぱりスクリーンで観なければダメなんだ。わたしは。
『メーヌ・オセアン』 想像を越えた面白さ。先の展開を読みつつ観てしまう方なんですが、これはそんな余裕なし。明るくって楽しくって笑えて、だけど、なんとなくしんみり。
『チョコレート・ファイター』 すぐに縮小上映になって終わってしまった映画。こういうのって名画座にかかりにくそうだから、すっごく悲しかったんですが、素晴らしき早稲田松竹。期待以上でした。ヒロインも可愛いし観たことのないアクションがたくさん。
ドキュメンタリィはやっぱキャラがたってないとねっ!って思えた『マラドーナ』と『牛の鈴音』。脚本があるみたいに事件が起きる。

スタンド・バイ・ミー
メーヌ・オセアン
チョコレート・ファイター

ずっとあなたを愛してる
戦場でワルツを
陸軍中野学校
誰がため
尼僧ヨアンナ
マラドーナ
牛の鈴音
パサジェルカ
(500)日のサマー
地下室のメロディー
陸軍中野学校 雲一号指令
パブリック・エネミーズ
パチャママの贈りもの
恐るべき子供たち
天国から来たチャンピオン
カールじいさんの空飛ぶ家
アサルト・ガールズ

1月に観た映画は、全部面白かった。以下は並べられなかったもの。

『マヤ・デレン全映画』 マヤ・デレンの短編映画7本。映画の可能性について考えさせられた作品。
『燃えよドラゴン』 映画館でも観てるし、DVDでも何回も観てるから、ブルース・リーの台詞なんて覚えてしまってるくらいだけど。音楽の良さを実感したし、鏡の間での闘いは本当に美しかった。もちろんブルース・リーの素晴らしさには涙が出ます。

歌舞伎しか観てないし、新橋演舞場と国立劇場には行ってない、、、あぁ。
浅草の「袖萩祭文」 勘太郎が良かった。この演目で筋がきちんとわかったのは初めてかもしれない。團十郎が大きくみえないのが気になった歌舞伎座。「車引」はこれぞ歌舞伎の醍醐味って思った。

壽初春大歌舞伎 昼の部/夜の部
新春浅草歌舞伎 第一部/第二部

マイケル・シェンカーが30周年記念ということで来日。最終日の渋谷CCレモンホール。警備員が「凄く人が入ってるね。マイケル・ジャクソンと間違っているんじゃない?」って言ってたのを聞いてしまった。間違えませんよ。マイケルといえば、「シェンカー」という人たちが集まってるんだから。(多分) 終始ご機嫌で演奏されてました。楽しー。

30th Anniversary Japan Tour 2010

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