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『シェルブールの雨傘』

ジャック・ドゥミの世界 ― 結晶(クリスタル)の罠”開催中の 東京日仏学院へ。

全ての台詞が歌によって語られる、という実験的でもある映画。

港町シェルブールの傘屋の娘ジュヌヴィエーヴと、修理工場で働くギイとの悲恋もの。

美しい主題曲にのせて、激しく雨が降る石畳の街路を行き交う色とりどりの傘たちを真上から映す、オープニング・クレジットにうっとり。
美しいメロディに誘われて、そのまま別世界へ入ることができるので、台詞が歌でも気にならないどころか、かえって物語世界を盛り上げる効果があった。

登場する度に、髪型も服装も変わる美しいジュヌヴィエーヴ。歌はプレレコだそうだし、カトリーヌ・ドヌーヴの演技はうまくないかもしれないけど、そんなことどうでもいいと思えちゃう、輝きに魅せられる。これが、スターが持つ華というものなのか。
「ジュテーム、ジュテーム、ジュテーム」と歌い、離れていく汽車を見送るプラットホーム。立ち尽くすジュヌヴィエーヴをとらえたショットの美しさよ。

アルジェリア戦争に召集されてしまったギイを待ちきれずに、他の男と結婚してしまうジュヌヴィエーヴ。召集期間の2年どころか、3ヶ月で揺れてしまう。
戦争によって引き裂かれたというよりも、女の弱さ故なのか、17歳という若さ故なのか。
歌にのせて綴られる物語の展開は、とても早くて残酷なのだ。

そして、別々の人生を歩んだ二人が出会うラストシーン。
美しいドヌーヴが、切ない余韻を残す。

美しい色彩に満ちた映像と、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさと、ミシェル・ルグランによる甘く美しい音楽。それが全て。
物語は単純なメロドラマ。だけど、それでよいの。
だからこそ、それらの美しさに酔えるし、素晴らしさを感じることができるのだ。

修復版ニュープリント、英語字幕付きの上映。2008年にリバイバル上映が予定されていると、チラシに書いてあった。

この会場で混雑したことはないし、英語字幕上映だし、と油断していたら、とても混んでた。甘かったー。
映写状態の良い、好きなスクリーンだと思っていたのだけど、それも最前列中央に座ってこそ。勾配が緩いので、前列の人が思いのほか障害になるのだった。

2007.4.1 東京日仏学院にて

監督/脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
作詞: ノーマン・ギンベル
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルク・ミシェル、エレン・ファルナー、アンヌ・ヴェルノン

Les Parapluies de Cherbourg  1963  フランス 35mm

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