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『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』

Brothersofthehead 双子モノには心惹かれちゃうし、しかもそれが結合体双生児なのだもの。フェイク・ドキュメンタリィという形式でどんな物語を展開するのだろうという興味もあって、楽しみにしていたのだけれど、、今ひとつハマらず。

1970年代のイギリスを舞台に、結合体双生児のハウ兄弟、トムとバリーが率いる架空のパンクバンド「ザ・バンバン」の栄光と悲劇を、ドキュメンタリィ形式で描く映画。

徹底的に記録映画の形式になっている。
当時を知る関係者の証言によって明かされていく展開。証言するのは、父親、姉、マネージャ、バンド・メンバ、そして、プロモータによって撮影を依頼されたドキュメンタリィ映画作家、などなど。
当時の映像は、ずっと撮影されていたドキュメンタリィ作家の映像という形で挿入される。
こういう凝ったドキュメンタリィという形式を採用することで、何をしたかったのだろうか。双子の持つ悲劇性とか、バンドの持つカリスマ性とか、そういうものが薄まってしまって、かったるい語り口になっている気がしてしまった。面白いドキュメンタリィって難しいのね。

バリーの肩にできた腫れ物が赤ん坊のようになったり、バリーの頭にできた腫瘍が“胎児の中の胎児”である可能性があると医師が語ったり、彼らが三つ子として生まれるはずだったという姉の言葉もあって、浮かび上がってくる“秘密の子供”という存在にはゾクゾクしかけたけれど、それもあっさり通り過ぎ。
音楽は結構好きだったし、歌詞の世界観も好き。せっかくだから、もっともっとガンガンの音量で流して欲しかったなー。

双子モノは好き。ピーター・グリーナウェイ監督『ZOO』、デイヴィッド・クローネンバーグ監督『戦慄の絆』とか。結合体双生児を描いた、カルト・ホラーの名作フランク・ヘネンロッター監督『バスケット・ケース』とか。
萩尾望都の「半神」や、それを元に劇化した野田秀樹の「半神」も素晴らしい名作だし。双子の醸し出す緊密性や、それによる相克、アイデンティティの崩壊など、そんなこんながとても好きなのになー。

ケン・ラッセル監督(本人が出演している)がハウ兄弟を題材にして"Two-Way  Romeo"という映画を撮影していたという設定。その映画が挿入されてて、それがとても素晴らしかった。この映画について、ケン・ラッセル本人が出演してそれらしいコメントをしているのだけれど、本当は彼の作品ではないんだよね?
全体をその雰囲気で作ってくれたらもの凄く好みだったと思う。

岬の家に兄弟を買いにくるジョナサン・プライスが登場する場面とか、女中(?)が長い廊下を歩いてきて、部屋で寝ている兄弟を世話しにくると肩の腫れ物が赤ん坊になってメリメリと生まれてくる場面とか、幻想的でとっても素晴らしかったのに、惜しい。

監督は『ロスト・イン・ラ・マンチャ』のキース・フルトン&ルイス・ペペ。『ロスト〜』もフェイクだったりして、、

2007.2.12 シネマライズにて(公式サイト

監督:キース・フルトン&ルイス・ペペ
脚本:トニー・グリゾーニ
原作:ブライアン・オールディス
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
音楽:クライブ・ランガー
出演:ハリー・トレッダウェイ、ルーク・トレッダウェイ、ブライアン・ディック、ショーン・ハリス、ケン・ラッセル

Brothers of The Head  2005  イギリス

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