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シネマ歌舞伎『京鹿子娘二人道成寺』

Cinemanininndojoji “歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映する”シネマ歌舞伎の第三弾。

シネマ歌舞伎第一弾の『野田版 鼠小僧』も観たし、ゲキ×シネで『SHIROH』と『髑髏城の七人〜アオドクロ』も観た。
3作品とも生の舞台も観ている。特にゲキ×シネの2つは良い意味で別の作品のように完成度が高い映像だったので、興奮した。『野田版 鼠小僧』も、客席からでは見えないような役者の表情がみえたり、新しい発見があって、楽しかった。

第二弾は『鷺娘/日高川入相花王』という舞踊もの2本立てで、これは未見。
第三弾も、第二弾に引き続いての歌舞伎舞踊で『京鹿子娘二人道成寺』。女形舞踊の代表的演目『京鹿子娘道成寺』を、女形二人で踊るというもの。

平成18年2月に歌舞伎座で上演された時も観て、美しさにうっとりした。
玉三郎と菊之助の二人がどちらも“花子”ということで、光と影のように表裏一体の妖しい雰囲気を漂わせていた。
なので、このシネマ歌舞伎上映をとても楽しみにしていたのだけれど、、ちょっと期待ハズレだったかも。

まず、音が悪い。舞踊なので台詞がないから、音楽はとても大切。竹本の三味線が、キンキンとして耳に突き刺さるような鋭い音に聞こえる。うるさい。
長唄の三味線も同じ。歌詞はよくわかって良かったけれど、唄もうるさく感じた。
音響には力をいれているらしいし、観客の評判も良いみたいなので、好みの問題なのかもしれない。わたしには、歌舞伎座の劇場空間を再現しているようには感じられなかった。

そして、鮮やかさが足りない。豪華絢爛な衣装も見所なのに。花道から出てくる赤い着物を観た時、軽く失望。赤が鮮やかじゃないし、金糸銀糸がキラキラしてない。簪が後光のように光り輝いていたのに。そう思うせいか、帯の黒も締まっていないように見えた。

横幅が凄ーく長い歌舞伎座の舞台全体を映し出すのが、とても難しいこともわかった。あと、花道も。
どうしても観客が映ってしまうので、興醒めしちゃう。客席が明るいから仕方ないのだろうけど、今後は工夫して欲しい。

文句ばかり書いてしまったけれど、楽しく観ることはできた。
アップに堪える美しい二人の姿は、それだけでも見応えあり。等身大以上の姿は、さすがに迫力があった。

冒頭、花子と所化が問答をする時は菊之助しか舞台にいないのに、玉三郎が台詞を言う場面をインサートしたり、菊之助一人の踊りの時に、玉三郎の踊りをインサートしたり、という映像処理が加えられていた。
これにより、二人の花子がいる妖しさが倍増して感じられる、映像ならではの効果があった。生の舞台では絶対にできないことだけど、玉三郎はこういうすり替わりの妖しさを舞台でも狙っていたのだろうと思う。

編集に坂東玉三郎のクレジットあり。

白拍子花子:坂東玉三郎
白拍子花子:尾上菊之助

2007.1.22 東劇にて

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コメント

こんにちは。
なるほど。シネマ歌舞伎本演目の見どころ、問題点などを理解できました。
まぁ、後で読んでなるほどと思いはしても、鑑賞中にウットリわくわくしないことは変わらないのでどうしようもないんですけれど。
美しい・・・って思わないんですよね。
たくさん見るとだんだんそう感じられてくるのでしょうか。
根本的に私向きじゃないのかな・・・。
同じメロディラインを弾いているっぽいのに三味線の人は9人も必要なのか?・・とかどうでもいいことを考えてましたー。w

かえるさん、こんばんは。
うーむ。たくさん観たら良いのかは違うと思うのです。
わたしも、歌舞伎に限らず舞台を観た時に、いつでも感動できているかというと、そうではありません。逆に、たくさん観ていて感覚が麻痺している部分も多いだろうし。
でも、たまーに出会える感動は、生ものならではの素晴らしさなので、芝居に足を運び続けてしまうのでした。
シネマ歌舞伎は面白くなかったけど、もしかしたら生の舞台は違うかも?と思っていただけるとうれしいです。

三味線についてですが。
基本的に同じメロディラインを弾いていますが、音の厚みが違います。あと、歌舞伎ではマイクを使わないので、純粋に音を大きくするという意味もあるのかな。
オーケストラでも、弦楽器は何本も使いますよね。それと一緒だと思いますよん。

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東劇に『ジャケット』を観に行った時だったか、ここで上映されている"シネマ歌舞伎"とやらに少し心惹かれた。歌舞伎というものにはちょっと興味があるけれど、それは老後のお楽しみでいいかなぁと思っていた。いえ、すごく興味があるならば、年齢にこだわる必要はないんだけど、思うにたぶん私好みの世界じゃないのだもの。でも、1000円でその雰囲気を味わってみるのならいいかもって、「京鹿子娘二人道成寺」を観に行ってみた。 「シネマ歌舞伎」というのは、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映すると... [続きを読む]

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