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『イカとクジラ』

Thesquidandthewhale 2006年のアカデミー賞のオリジナル脚本賞にノミネートされていて、そのタイトルが気になった。
だって、『イカとクジラ』だもの。自然ドキュメンタリィみたいな不思議なタイトル。

1986年のニューヨーク、ブルックリンを舞台に描かれるある家族の物語。

父親は落ち目の作家。母親は華々しいデビューを飾った新人作家。
両親が突然離婚して、息子たちは父親の家と母親の家を行ったり来たりすることになる。

テニスや卓球を子供みたいにムキになってプレイしたり、ウォルトのデートに同伴して『ブルーベルベット』を観させたり。自分が売れないのは大衆がバカだからだと言い放ってしまう父親。
息子たちに自分の男性遍歴を赤裸々に語ったりしちゃう母親。

パパ組:父親と16歳の兄ウォルト。ママ組:母親と12歳の弟フランク。
パパ組の尊大さに、なんとなくママ組に肩入れしながら観始めてしまったけれど、ママ組のほうもいろいろと問題を抱えているのだった。

中断された会話とか、鏡の前で見せる表情とか、ちょっとした場面にリアリティーがあってドキっとさせられた。

両親の離婚によって、不安定に揺れ動く思春期の息子たち。
両親は息子たちを愛しているけれど、親らしくすることがちょっと不器用なだけ。
痛々しいのだけれど笑ってしまう、そんな家族全員のキャスティングが素晴らしい。

親だってただの人間であることを受け入れなければ前に進めない。
なるほどこの不思議なタイトルは変えられない。

監督自身の体験をもとに書き上げられたという脚本だそう。

ウディ・アレンでお馴染み、ブルックリンの風景。ノア・バームバック監督は「ウディ・アレンの再来」と呼ばれているそうだ。

2006.12.26 新宿武蔵野館にて(公式サイト

監督・脚本:ノア・バームバック
製作:ウェス・アンダーソン
撮影:ロバート・ヨーマン
音楽:ディーン・ウェアハム、ブリッタ・フィリップス
出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェス・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン、アンナ・パキン、ウィリアム・ボールドウィン

The SQUID and the WHALE 2005  アメリカ

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コメント

こんばんは。いかかがお過ごしでしょか?
動物タイトルの映画にはずれなしです。
これはとても気に入りました。何位くらいかなー。

今日はラスト映画を観に、シネマヴェーラに行ってきました。
そして、深夜には年間ベストを出したいですー。
いわいさんも発表してくださいねー。

今日、65年のジャン=ピエール・レオをスクリーンで観ましたが、
ツァイ・ミンリャンはルーブル美術館の企画映画で、リー・カンション&ジャン=ピエール・レオ出演作を撮っているんですって。

こんばんは。
私もこの作品、かなり気に入りました。
最後のシーンで、やられますよね。タイトルの秘密と、少年が大人になる瞬間、みたいな。
それを、ビジュアルで見せるというのは、すごいと思いました。
ディテールの描写も本当に何度もドキっとさせられました。

関係ないですが、上のかえるさんのコメントに反応してしまった(笑)。それまた特報ですね~。

追記です。
ご挨拶しようと思って忘れました。
本年中はお世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。

かえるさん、こんばんはー♪
すっかりご無沙汰しておりますのに、コメントありがとうございました。

何とかエンタメ生活は続けていますが、疲れておりまする。
ラスト映画は、本日(12/31)わたしもシネマヴェーラでした。
年間ベストは出すつもりですが、もうちょっと待ってくださいませー。
ジャン=ピエール・レオって、子供の頃から顔が変わらないんですよね。ふてぶてしいというか。すわっているというか。凄い存在感だと思います。
ツァイ・ミンリャン監督のその映画、観たいですー。

わかばさん、こんばんはー♪

おぉ、お気に入りなのですね。わたしもこういう映画は大好きです。
最後のシーンは、ある意味ベタで予想していた気もするのです。
でも、病院から走り出してタイトル挿入のタイミングまで、あの間が素晴らしいと思いました。
タイトルが映し出された時に、軽くうなっちゃいました。
あの息子たちの今後も気になりますよねー。

こちらこそ、お世話になりました。
2007年もよろしくお願いいたします。
良いお年をー!

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