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『芸術祭十月大歌舞伎』夜の部

2006oct_kabuki今更ですが、書きかけていたので。既に11月の歌舞伎座公演(新橋演舞場も)も千穐楽を迎えているというのに、、

久しぶりの歌舞伎座は、10月の千穐楽、26日。

一、「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」
  五段目 「山崎街道鉄砲渡しの場/同 二つ玉の場」
  六段目 「与市兵衛内勘平腹切の場」

仁左衛門の勘平は、正月に松竹座で観ているのだけれど、その他の配役はガラリと違う。特にお軽を菊之助、というのは驚きだった。

席は前から3列目なので、幕開きから、目の前に勘平。
蓑笠姿が美しい。藁の黄色と明るめの着物が映えて、とても若々しい。相手が菊之助だと思うから、余計にそう思ってしまうのかもしれない。

久しぶりのせいか、物語に入り込むというよりも、形のきまり方など歌舞伎の様式的なものに目がいく。明るい舞台の上で展開する闇夜が新鮮に感じられた。

そして、斧定九郎の登場で場内が沸いた。青白く化粧をした海老蔵には(過剰なほどに)凄みがあった。やっぱり華があるよなー、と感心する。死に際に吐く血は、ちょっとやり過ぎっぽい気もするけれど、これなら後ろの観客でもよーくわかるだろう。サービス精神満点なのね。

六段目。お軽の菊之助は落ち着いた雰囲気で、仁左衛門と並んで素晴らしく美しくキマる。舅を殺したらしいことに気づいて、お軽との別れどころではなく動揺している勘平を見つめる、お軽の一途な思いがいじらしい。そして、別れのその瞬間、ひしと抱き合った姿に、ふたりの愛が凝縮されたようで、物語に引き込まれた一瞬だった。

千崎弥五郎と不破数右衛門が訪ねてきてからのやり取りは、弥五郎に権十郎、数右衛門に弥十郎という配役も揃って、緊迫しつつ盛り上がる。勘平が切腹してしまってから真実が知らされるという悲劇、連判状に血判を押すことができる喜びがくっきりと伝わってくる。
後ろから支えるおかやに、虫の息で「かる、たのむ」と言う勘平に、グッときた。おかやはこれから1人で生きていくのだとか、夫のために身売りしたお軽は、夫の死をどのように知らされるのだろうとか、いろいろ考えさせられた幕切れ。

早野勘平:仁左衛門、斧定九郎:海老蔵、千崎弥五郎:権十郎、お軽:菊之助、不破数右衛門:弥十郎、おかや:家橘

二、「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」髪結新三
幸四郎が新三を初役で勤めるのが話題。

廻り髪結いとか、初鰹とか、江戸の風俗が楽しい。肴売は誰かと思っていたら、錦弥だった。

粋とか格好良いというのではなくて、心底悪い人な新三。あまり色っぽくないので、納戸に閉じ込めたお熊にあれやこれやして良い目を見た雰囲気ではないのだった。

見ていてとてもわかりやすい新三だったと思うけど、キャラクタが軽くて単なるコメディみたいな気も。

下剃勝奴に市蔵で、家主長兵衛に弥十郎。このふたりが良い味だしていた。
お熊が高麗蔵というのは、世間知らずのお嬢サマっぽくなくて、今ひとつ。

髪結新三:幸四郎、家主長兵衛:弥十郎、下剃勝奴:市蔵、家主女房おかく:鐵之助、白子屋お熊:高麗蔵、弥太五郎源七:段四郎

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