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9月分のメモ

もうすぐ旅行に出てしまうので(10/8現在)、9月分の積み残しをメモしておきます。

映画12本分。芝居3本分。
たいしたことは書いてません。って、いつものことですが。

『パトリス・ルコントのDOGORA』
フランスの音楽家エティエンヌ・ペルション作曲の「DOGORA」を背景に、カンボジアの風景を切り取った映像だけで綴る映画。
カンボジアには行ったことがある。ポル・ポトの残した爪痕がそこかしこに残り、若い人々の活気に溢れていたプノンペン。アンコール・ワットのあるシェムリアップは、のんびりとした田園が美しかった。そんなカンボジアの風景を、活き活きと描いていた。
街の喧噪と音楽が交差するのも効果的で、意外に飽きずに観ることができた。(東京写真美術館 9/16)

『第20回歌舞伎フォーラム公演』
第一部:歌舞伎に親しむ「歌舞伎の美」歌舞伎舞踊「お祭り」
第二部:歌舞伎「息子」
第三部:歌舞伎舞踊「応挙の幽霊」

第一部では、片岡松三郎による歌舞伎の解説。堅苦しいわけではなくて、観客を舞台にあげて、“助六”と“紙屋治兵衛(河庄)”の衣装を着せながら、上方歌舞伎と江戸歌舞伎の違いを親しみやすく教えてくれた。着付けの手際が良くて、惚れ惚れしてしまう。
「息子」は、歌舞伎座で観た記憶も新しい作品。小さい劇場に似合う作品で、登場人物が3人という濃密なドラマが、分かり易くて、余韻が残った。
「応挙の幽霊」は、新作歌舞伎。落語の歌舞伎化とあって、大爆笑だった。美人の幽霊が酒好きで、ぐでんぐでんに酔っぱらってしまうのが、楽しい。(魚屋宗五郎の女版?)京妙の幽霊が、色っぽくて素敵だった。(江戸東京博物館 9/16)

『王と鳥』
フランスらしい楽しくてシニカルなアニメ。暴君が君臨する王国の、王様グッズが楽しい。
ナルシストだけれど、容姿に自信のない王様。
絵から抜け出た王様とすり替わってしまっても、周囲はおかまいなしなのは皮肉。
音楽も良い。全てを破壊した後に残ったものは、、というラストシーンが素晴らしい。(シネマアンジェリカ 9/18)

『楽日』
蔡明亮監督の作品。
古い映画館の閉館前最後の上映時に繰り広げられる人間模様。
物語は一切語られず、人々の姿を映し出す。受付嬢は足が不自由で、足を引きずる音を響かせながら、迷路のような映画館の中を歩き回る。
日本人の青年は、怪しいハッテン場のような映画館の中をそぞろ歩き、幽霊と出会った。
桃饅頭のピンクが印象的。(ユーロスペース 9/18)

『切腹』(1962)『上意討ち 拝領妻始末』(1967)
新文芸坐の特集“時代劇(チャンバラ)ぐらふぃてぃ”で、小林正樹2本立て。
2本とも、武家社会の持つ非情さを現代からの目線で鋭く抉る作品だった。
どちらも、いわゆる時代劇とは異なる視点で語っていて、深く考えさせられた。
時間ができたら、感想をきちんと書きたい。(新文芸坐 9/19)

『魔界転生』
中村橋之助が、柳生十兵衛。成宮寛貴が、天草四郎。色気が足りなかったかな。
かなり豪華な出演陣が、ちょびっとしか出ていなかったりして、もったいなーい。
宮本武蔵の扱いなんて、もう少し驚かせて欲しかったなー。
舞台転換がスピーディーで素晴らしかった。(新橋演舞場 9/21)

『秀山祭九月大歌舞伎 昼の部』
「車引」梅王丸:松緑、桜丸:亀治郎、松王丸:染五郎。珍しい組み合わせな気が。松緑が、大きくて良かった。染五郎は、ちょっと線が細くて、ちと弱い。全体としては、楽しく観ることができた。
「引窓」吉右衛門の与兵衛は、情があって良いなぁ。吉之丞には泣かされる。
「業平小町」雀右衛門を観られて良かったけど、後見が気になる。
「文屋」染五郎が色っぽくないのに、びっくり。操り人形のようだった。
「寺子屋」源蔵の最初の台詞で、笑いが起きるっていうのはどうなのだろう。吉右衛門がヘンということは全然ないので、客の体勢がおかしいのだよな。
幸四郎は、ちょっと泣き過ぎで、こちらは冷めてしまった。(9/22)

『ハードキャンディ』
密室スリラーとして、面白く観た。少女ヘイリーに追いつめられる男ジェフ。どちらが正しいのか考えさせられつつ、幻惑させられるカメラワークと刺激的な展開にハマる。ヘイリー役の子が凄い。「ハァーン」って言う時の顔が憎たらしくてマル。(シネマライズ 9/22)

『迷子』
孫を探す祖母に、祖父を疎んでいた少年の祖父探しが絡む。
大声で孫の名を呼びながら、走り続ける祖母は、台北の街に呑み込まれてしまうようだった。
『楽日』を観た人には、ラストシーンはちょっとしたオマケ感があった。映画観てたのねー。(ユーロスペース 9/22)

『グエムル』
いきなり怪獣の全貌を見せてしまうので、いわゆる怪獣映画でないことはわかった。普通の(どちらかといえばダメな)家族が、戦う映画。個人的な物語になっているところが面白いといえば面白い。アメリカの扱い方は、ちょっとベタだったかも。(新宿グランドオデヲン座 9/23)

『美しき運命の傷痕』
托卵のイメージが禍々しいオープングから、不穏。両親の諍いの果てに起きた22年前の不幸を繰り返すような、娘たちの境遇を繊細に描いていた。母親の眼差しが恐ろしく、幕切れの言葉に考えさせられた。
ゴミ箱に瓶を捨てる老婆が出てきた。キェシロフスキの印がちょっとうれしい。
(ギンレイホール 9/28)

『奇跡の朝』
フランスのゾンビ映画は、ひと味違う。死んだ人たちが蘇ったことを、喜ぶ人ばかりではない、というところがリアル。「猿の手」を思い出させる、皮肉な成り行き。何もハッキリさせないところが、余韻を残すようであり、消化不良でもあり。
(ユーロスペース 9/30)

『薬指の標本』
海辺のロケーションが美しくて気に入った。女の子も可愛らしくて、ちょっぴり色っぽい。不思議な寓話のような味わいが素敵。
薬指の欠損によって開いた心の穴を持つ女の子。
ちょっと変わった標本工房は、そういう穴を埋めるために標本を作っていた。
標本工房の雰囲気も好き。(ユーロスペース 9/30)

『ゆれる』
やっと観た。西川監督、巧い。ある事件をきっかけに、田舎に残った兄と東京で成功した弟が持つ感情が露になる。視点が微妙にゆれて見えるものが変わり、事件の真相もゆれていた。
田舎の閉塞感と、そこから抜け出た人の気持ちは身につまされた。弟の感情が爆発するタイミングは、出来過ぎ。兄と弟の関係が親子二代で続いていたり、8mmの使い方は、ちょっとベタだったかも。香川照之が素晴らしい。(シネアミューズ 9/30)

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コメント

見たのは、「ゆれる」「美しき運命の傷痕」、昔リアルタイムでみた「切腹」です。
すごい本数みられてますよね(^^)。

悠さん、こんばんは。
本数観ればいいってもんじゃない、と思うのですが、
とりあえず、観たい作品に優先順位をつけて、
気力を振り絞って観ています。

新文芸座のラインナップは魅力的なものが多くて、
家から近いこともあって通ってしまうのでした。
古い作品も新しい作品も観たくて困ります。

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