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『秀山祭九月大歌舞伎』夜の部

今月の歌舞伎座は、初代中村吉右衛門の生誕百二十年を記念して「秀山祭」。
初代の俳名である“秀山”を冠しているそうだ。

目玉は、なんといっても松本幸四郎・中村吉右衛門兄弟共演なのだ。

一、鬼一法眼三略巻「菊畑(きくばたけ)」
何度も観ているけれど、筋がなかなか覚えられないのだった。

菊の花が咲いている、華やかな舞台。
吉岡鬼一法眼の屋敷に奉公している奴虎蔵は実は源牛若丸で、奴智恵内はその家来の鬼三太。
鬼一秘蔵の「巻物を手に入れようとしていた二人だったが、素性を見抜かれ、、

繻子奴の知恵内、色若衆の虎蔵、赤姫の皆鶴姫、老け役の鬼一と、歌舞伎の様々な役割が登場するのが見所なのだけれど、いつも集中が途切れて眠くなってしまう気が。

関係ないけど「菊畑」といえば、横溝正史作「犬神家の一族」の一場面を思い出す。菊人形で再現された「菊畑」の中に隠された生首。それを発見する場面で、無粋な人間と言われている金田一耕助が、「菊畑」の登場人物について知っているのだ。当時の人には、教養として常識だったのだろうか。

知恵内実は鬼三太:幸四郎、虎蔵実は牛若丸:染五郎、皆鶴姫:芝雀、笠原湛海:歌六、吉岡鬼一法眼:左團次

二、「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」
これまた、何回も観ている演目。この芝居は、筋は分かりやすいし、見せ場は派手だし、幕切れは暗いけれどもカタルシスが感じられて、観たーって気持ちになれる一本。

下野佐野の商人次郎左衛門が、吉原仲之町で傾城八ツ橋の花魁道中に出会い、美しさに一目惚れ。以降その座敷に通いつめ、身請け話がまとまろうという矢先、突然八ツ橋からの愛想づかしをされてしまう。栄之丞という八ツ橋の間夫が、八ツ橋にそうするように迫ったのだった。
次郎左衛門は、いったんは故郷へ戻るが、数ヶ月後に上京し、名刀籠釣瓶で八ツ橋に復讐する。

吉右衛門の次郎左衛門は、鷹揚な商人振りが板についているし、愛想づかしされてしまった時の気まずさ情けなさから、復讐にいたる心持ちにも納得。歌昇の下男とのバランスもよい。栄之丞は、梅玉以外にはいないだろう(勘三郎襲名の時に仁左衛門が演じているけど)というハマリ役。
立花屋の主人長兵衛役で、幸四郎も出演。吉右衛門との2ショットが、ちょっとうれしかった。

でも、福助の八ツ橋は今ひとつかなー。出てきた時に、ジワが出るほど美しいわけではないし、次郎左衛門を狂わせるほどの微笑みには思えなかった。どちらかというと怖い雰囲気の笑いだった。
愛想づかしの場面では、その状況が分かりやすい語り口はさすがだとは思ったけれど、今をときめく傾城の雰囲気ではない気がしてしまう。

八ツ橋のできる女形って他に誰がいるのだろうか、と考えさせられてしまった。

隣に座った人と後ろに座った人が、掛け声をかけていた。2人とも若い人みたいだったけど、結構上手だった。これからも、がんばって欲しい。

佐野次郎左衛門:吉右衛門、八ツ橋:福助、立花屋女房おきつ:東蔵、下男治六:歌昇、七越:高麗蔵、釣鐘権八:芦燕、九重:芝雀、繁山栄之丞:梅玉、立花屋長兵衛

本日は、昼の部の「寺子屋」を幕見するつもりだったのだけど、出来ず。
都合により、最後の「鬼揃紅葉狩」もパスさせてもらった。残念。

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