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“ソビエト映画回顧展06”のまとめ

2006年末で閉館してしまう三百人劇場
ソビエト映画回顧展06”に通ったので、まとめてみる。

せっかく気合いをいれて10回券を買ったのに、結局5回しか行っていない。

<感想を書いたもの>

』 アンドレイ・タルコフスキー監督

誓いの休暇』 グリゴリー・チュフライ監督

タイプは違うけれど、2本ともスクリーンで観る喜びを感じさせてくれる素晴らしい作品だった。
映像の美しさは、特筆もの。昔の作品なのに、全く古く感じさせない瑞々しさにも感動できた。名作といわれる理由は「観ればわかる!」っていう作品だった。

<感想を書いてなかったもの>

『愛の奴隷』1976  監督:ニキータ・ミハルコフ
1918年、革命の嵐の中、黒海沿岸でメロドラマの撮影を続ける映画スタッフたち。主演女優のオリガは、カメラマンと親しくなる。

映画スタッフ隊の優雅な撮影風景が、時代を感じさせて興味深い。フィルムが足りなくて撮影が進まないのに、全くピリピリしてない悠長さ。召使いがサーヴするシャンパン付きの食事。
そして、なんといっても女優オリガを演じるエレーナ・ソロヴェイが素晴らしかった。子供も2人いて、華麗な男性遍歴があるようなのに、純真無垢といった風情が漂っている。いかにもな声が可愛らしかった。
革命の波がヒタヒタと迫っている時代の不穏な雰囲気の中で、オリガの可憐さ儚さが華のように鮮やか。
メロドラマ然としたドラマティックな音楽が、悲劇を盛り上げていた。
オリガが心細げに1人で乗っている、小さな電車が走り去っていくラストシーンが、しみじみと印象的。

『貴族の巣』1970 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
ツルゲーネフの小説を映画化した作品。
あるロシア貴族が、妻と別れパリから故国へ戻る。親戚の家を訪ねた彼は、そこで一人の美しい少女リーザと出会い、彼女との生活を夢見たけれど、、

人生に疲れたロシア貴族の倦怠感が全体に満ちていた。
赤っぽく紗が掛かったような画面が、淡く美しい。
ロシア貴族の優雅な生活が、美しく展開してため息。
リーザの輝くばかりの清らかさが、まぶしいほどだった。

『ワーニャ伯父さん』1971 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
舞台は何回か、映画は『42丁目のワーニャ』(ルイ・マル監督)と、本家ロシアの作品としては観たことがなかったので、興味を持った。

ロシアの木造家屋が、落ち着いた色調の映像の中でとても美しかった。

前衛的な音楽は、あまり雰囲気になじまない気がした。“チェーホフの映画化に新しい息吹を吹き込み絶賛された”とのことだけれど、そういうことなのか。
窓を背景にして、光を強調するような絵作りが目についた。

登場人物のそれぞれが、自分たちの退屈な人生に折り合いをつけていく、その心情が胸に迫ってこなかった。

美しく華やかで不幸なエレーナと器量が良くないと嘆くソーニャは、それぞれ、『貴族の巣』で主人公の妻と、美しいリーザを演じていた女優。
ソーニャが「自分が不器量だ」と嘆いても、全然説得力がない若さと美しさなので、違和感を持った。

ラストシーンの静かさには、心を少し動かされたけれど、感銘を受けるほどではなかった。

==
モゴモゴこもったようなロシア語の響きは魅力的。
ロシアの風景も美しくて素晴らしかった。

もっと通いたかったなー。せめてタルコフスキー監督の作品はたくさん観ようと思っていたのに、行くことができたのは『鏡』だけだった。ゆっくり全作品を追いかけたい。

三百人劇場は閉館しても、どこかの劇場で特集してくれることでしょう。強く希望します!

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コメント

こんばんは。
三百人劇場、閉館しても、ロシア系は固定ファンがいるからきっとどこかでやってくれますよね、と私も強く希望!
というのも、今回フィルムセンター、三百人、アルメニアなどにちょこちょこ足を運んで、ロシア映画ファンって、爆発的に増えることもないかもだけど、減ることもないんじゃないかと思いました。
それだけ作品が、劇場に足を運ばせるだけの魅力や力を持っていると感じました。
まとめて観ると、色々感じるものも大きかったし、よい経験ができました。

わかばさん、こんばんは♪
ロシア系映画には固定ファンがいるんだなー、とわたしも実感しました。
特に、アルメニアの特集には、会場が小さいこともありましたけど、足の踏み場がないほど多くの人が観に来ていました。年配の方々もたくさん、座ってご覧になっていて、パワーに圧倒されたくらいです。
皆さん、どうやって情報を仕入れているのか、ちょっと不思議な気持ちになりました。
わたしも、まとめて観て、色々感じることができました。ロシアの風景に魅了されて、ロシアに行きたい気持ちが強くなりました。
とりあえず、ロシア語を読めるようになりたいです。

サンスクリットを学んだ、いわいさんには、笑われる程度には、ロシア語を学んだんです^_^;。先生一人ー生徒一人で、一年ほど、でも、学んだのは、日常会話もできないレベルだった(-_-;)。先生は、最近、ワーニャ伯父さん訳されてます。

悠さん、こんばんは。
サンスクリット語は、多分4回くらい受講して挫折したんですよ。テキストは、まだ持ってますけれど。
ロシア語は難しいそうですね。とりあえず、お習字帳を買って、読み書きができるようになりたいです。野望ですけど。

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