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『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』ーBOW30映画祭ー

Mitlivsomhund イングマル少年は、けっして楽しく幸せに暮らしているばかりではないのだ。それなのに、観終わった後は、ひたひたと幸福感に包まれ、温かい気持ちになれた。

1958年のスウェーデンで、「人工衛星に乗せられて宇宙で死んだライカ犬にくらべたら、僕のほうが幸せ」と考える12歳の少年、イングマルの過ごした日々を描く。

笑っている母親の側で遊ぶイングマル少年を映す明る過ぎて色とびしている8mmのような質感の映像が、甘く切ない気持ちにさせる。これは、イングマル少年と母親との大切な想い出なのか、彼の美化された記憶なのか、とにかく既に失われてしまったもの。この映像が「ママのことをもっと笑わせてあげれば良かった」というイングマル少年の言葉とともに、度々挿入される。そして、キレイな星空のショットとともに「ライカ犬にくらべたら僕のほうが幸せ」という言葉も繰り返されて、その度に切ない気持ちが押し寄せてきた。

イングマル少年は悟ったような諦めたようなことを口にして大人びているようだけど、やることは不器用な子供。
演じているアントン・グランセリウスくんの笑顔が良かった。悲しんでいるような、楽しんでいるような、何とも言えない魅力がある。もう、これを観られただけで幸せだと思えるほどに、本当に本当に素晴らしい笑顔。

兄からはいじめられ、父親は仕事で南洋に行ったきり、病気の母親はイングマルの行動に泣いてばかり。それでも、イングマルはそれほど不幸ではないと自分に言い聞かせながら、愛犬シッカンと一緒にいた。

でも、母親の病気が悪化し、叔父さんのところへ預けられることになって、愛犬との別れを経験する。

叔父さんの村は、ちょっと変わった人ばかりで楽しかった。叔父さんも、おしゃべりで、ちょっと女好きで、愛すべき人物。一階に住んでいるおじいさんに、こっそり読んであげる下着のカタログ。いつも屋根を修理しているおじさん。色っぽいおねえさんへの恋心。
ガラス工場の村で、子供たちもガラス工場の中をいったりきたりしている。
のびのびしている子供たちに混じって、開かれていくイングマル。
ガキ大将の美少女サガの存在が、効いていた。思春期の少年少女たちのすれ違いが、もどかしくて微笑ましい。サガはいつの間にかワンピースを着ていた。

何が起こるわけではないのに、ずっと見守っていたい気持ちにさせられて、エンド・クレジットでは、ジ〜ンときた。

素朴で可愛らしいかんじの音楽もまた素晴らしかった。

シャンテシネにて BOW30映画祭

監督/脚本:ラッセ・ハルストレム
原作/脚本:レイダル・イェンソン
脚本:ブラッセ・ブレンストレム、ペール・ベルイルント
撮影:イェリエン・ペルション
音楽:ビョルン・イシュファルト   
出演:アントン・グランセリウス、メリンダ・キンナマン、アンキ・リデン

MITT LIV SOM HUND 1985 スウェーデン

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