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『誓いの休暇』ーソビエト映画回顧展06ー

まいった。もう、素直に感動しました。

素晴らしい作品。スバシーバ、ハラショー!

2台の戦車を炎上させて英雄になった19歳のアリョーシャ。彼は、褒美として故郷で一人暮らしをしている母親に会うことを願い、往復4日と滞在2日合わせて6日間の特別休暇をもらった。

どうということもない物語だと思うのに、心を揺さぶられるものがたくさんあった。
「母の愛」「青春」「ロードムーヴィー」それらの要素を持ちながら、観終わった後にジワジワと戦争の虚しさが残る。

アリョーシャは、とても素直で素晴らしい青年。故郷への道程で出会った人々に誠意を持って接し、そのために時間を費やす。それに、ハラハラドキドキさせられてしまう。

妻が迎えに来ることを疑っていた負傷兵に付き添い、妻との再会を見届けたり。
やっともぐり込んだ貨物列車では、こっそり乗り込んできた少女シューラと出会い、一緒に旅を続ける。2人の間の微妙な好意のやり取りが、微笑ましい。
水を汲みにいっている間に、列車に置いていかれ、ヒッチハイクして乗せてもらったトラックを運転していたのは、かなり年配の御婦人だった。車もかなりの年代物。とっくに引退しているはずだと思われる年齢の御婦人が、労働をしなければならない戦時下。そして、パワフルな御婦人の存在は頼もしくもあり。
駅で待っていたシューラと再会し、見知らぬ兵士から託された石けんを持って、その留守家族の家を訪ねるのだった。妻は別の男と暮らしているという現実を知り、少し遠いところに居る兵士の父親のところへ届けるアリョーシャ。石けんは貴重だったのだろうから、必要な人のところへ届いたことで少し明るい気持ちになった。苦しい生活を強いられている状況で、別の男と暮らしていた妻のことを責める人は誰もいないのだろうけれど。

2人で冒険のような旅をしたアリョーシャとシューラは、住所も教え合わずに別れた。切ない。

故郷が目前となっても、次々と困難が襲う。それでも、一瞬しか会えないとしても必死で母親のところへ向かうアリョーシャの姿には、心打たれるしかない。

どこまでも続く一本道を見つめ続ける母親の姿が、冒頭に重なるラストシーンは、今でも胸が熱くなるほどに、心に刻み付けられた。

三百人劇場にて ソビエト映画回顧展06

監督/脚本:グリゴーリー・チュフライ
脚本:ワレンチン・エジョフ
撮影:ウラジーミル・ニコラーエフ、エラ・サヴェーリエワ
音楽:ミハイル・ジーフ
出演:ウラジーミル・イワショフ、ジャンナ・プロホレンコ、アントニーナ・マクシーモワ、ニコライ・クリュチコフ、エヴゲーニー・ウルバンスキー

Баллада о солдате/BALLAD OF A SOLDIER  1959 ソ連

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コメント

こんばんは(^^)
7月に観たばかりなので、私も感動が新しいです。素晴らしい作品でしたよね。
私は映像の美しさと、全く古さを感じさせないみずみずしさに感動しました。
内容としては、そんなに奇をてらっているわけではないと思うのですが、やはり映画ってそういうことじゃないなって思わせてくれました。

わかばさん、こんにちはー♪
本当に素晴らしかったですよねー!
今でも、思い出すと心が震えてしまうほどです。
映像も美しかったですよね。そして、映画全体をみずみずしさが満たしていたのでした。1959の作品とは思えません。なんとなく、青春ものっぽい雰囲気を敬遠して今まで観ていなかったのですが、重い腰をあげて観た甲斐がありまくりでした。名作と呼ばれて残っていることに、心の底から納得しました。
あらすじを考えると本当になんてことない、とわたしも思いました。そう、これぞ映画の素晴らしさ!って思います。
こういう映画に出会えると、映画館に通う幸せを感じます。

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» 誓いの休暇 [working title -annex-]
誓いの休暇 (1959) グリゴーリ・チュフライ監督  ロシア・ソビエト映画祭にて鑑賞  これ、本当に素晴らしいです。前から評判を聞いて、観たいと思っていたのですが、本当に素晴らしくって、感激してしまいました。  何が素晴らしいって、よく「古さを感じさせない」って言いますが、本当に古さを感じさせない、ものすごくみずみずしくて、そのことに感激してしまいました。  まだ幼さの残る通信兵がある日手柄を立てる。特別に休暇をもらい、はるばる実家への旅を始める。道中、彼はさまざまな人々に会い、さまざまな... [続きを読む]

» 『誓いの休暇』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
美しき感動の名作。 (ソビエト映画回顧展05/三百人劇場) 有給休暇をとって『誓いの休暇』を観に行こう~なーんて 暢気なことをほざいていた平和なご時世で気ままに暮らす私。 ごめんね、アリョーシャ。"休暇"は、戦場のあなた達にとって、 めったにもらうことのできないとても貴重なものなのだね。いつ、どういう理由で書き込まれたかのはもう忘れたけれど、 観なくちゃ映画myリストの中に"誓いの休暇"が入っていた。 誰かに薦められたのだろうか?名作だからチェックしたのか? 『メメント』のレ... [続きを読む]

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