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『親密すぎるうちあけ話』

Confidences ちょっとした誤解から始まった男と女のやり取りが、ミステリアスに展開して、そのサスペンス感がたまらない。

夕暮れのパリ。美しい女が訪れたビルの一室。女を出迎えた男に、いきなり結婚生活の悩みを打ち明けはじめた女は、次のカウンセリングの予約をして去っていった。実は男は税理士で、彼女は同じフロアにオフィスを構える医師の部屋と間違えたのだった。

これは、全くの予備知識なく観たかった。美しい女性アンヌが初めて税理士のウィリアムを訪ねる場面は、目と口を丸く開けたウィリアムの顔が面白くて、その理由を既に知っていることが残念だったのだ。

ウィリアムは、始めのうちは誤解を解こうとそれなりに試みるのだけれど、その言葉が全くアンヌに伝わらないところなんかも、もどかしくって笑えた。

そして、赤裸々な秘め事を聞きながら、次第にアンヌに魅了されてしまうウィリアムと同じように、わたしも彼女に捕われてしまう。
ウィリアムと出会い告白を重ねるうちに、表情が活き活きとして艶かしさを漂わせるようになり、髪型を変え、服装を変え、次第に美しさを増していくアンヌがに目が釘付け。大胆に開いた胸元をチラリと盗み見て、ドキリとしたり。

「彼がわたしを必要としているの」などと、ちょっと思わせぶりなアンヌの言葉や態度に、ずっと裏を考えながら観てしまったのは、ルコント監督の術中にハマってしまったということなのだろう。だって、鼻をかんだ後のティッシュをポイッと捨てて、ゴミ箱にシュートしないまま帰ってしまうなんてあり得ないでしょー。

登場人物たちも、誰かが共犯なのでは?と疑ってしまった。
関係が切れていない元妻とか、ウィリアムの相談にのっているモニエ医師とか、冷えきった関係であるはずのアンヌの夫とか。

ラストシーンでは、眩しい南仏の日差しが、開放的でハッピィな気持ちにさせてくれた。

シャンテシネにて(公式サイト

監督:パトリス・ルコント
脚本:ジェローム・とネール
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:パスカル・エステーヴ
出演:サンドリーヌ・ボネール、ファブリス・ルキーニ

Confidences trop intimes 2004  フランス

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コメント

ぼんそわっ
アンヌの話が嘘か誠か確信できない曖昧さは監督のねらいでもあったみたいですね。
ということはねらい通り♪

かえるさん、こんばんはっ。
そうなんですー。
すっかり監督の術にハマりました。
だって、アンヌがあやしかったのですもの。
話はそれほどたいしたことないのに、ムードで引っ張るルコント監督。やられましたー。

ドモドモー♪
先日は、TB、コメントをありがとうござりました。

おお、いわいさんは、観る前に内容を少し知ってしまいましたか。
確かにこの作品は、予告編やチラシを観ただけで概要が分かってしまいますものね。
サラの状態で観るとさらにさらに面白いですよね。

>誰かが共犯なのでは?と疑ってしまった。
そうなんですよー
ワタクシは、ランチでのモニエ医師の言葉で「やっぱり!」と思いましたです。
・・・結局は違いましたけどね。笑

いわいさん、こちらにもどうも!
パトリス・ルコントの描くノーブルで匂いたつようなエロさはやっぱり一級品ですよね。視覚ではなく脳味噌に訴えるエロスというか。
何だかこういうタッチは日本人には逆立ちしても出せないような気がします・・・。

Puffさん、こんばんは♪
そうなんです。サラの状態で観たらもっと面白いですよねー。残念でした。
>ランチでのモニエ医師の言葉で「やっぱり!」と思いましたです。
そうなんですよ。それまでも、あやしいよなーと思いながら観ていたので、そこで、「やっぱり!」と確信してしまいますよねー。
モニエ医師すら、怪しく思えたり。。。
ホント、ルコント監督ったら、うまいんだからー。

Kenさん、どうもですー。
ルコント監督のエロスは、脳内妄想的で素晴らしいです。
脳に感じるエロスが良いですよねー。
確かに、会話とか視線のみというこの映画のタッチは洒落ていて、おフランスならではという気がします。

心理療法で起こる転移って、クライアントと、治療者の擬似恋愛だってことを思い出させてくれるような、映画でした。エロスは、脳内物質化学変化ってんでは、「恍惚」を思い出しました。これもフランス映画でした。

悠さん、こんばんは。
エロスは、脳で感じるものですよね。
この映画は、フランスのしかも、ルコント監督ならではのうまさだったと思います。

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