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『プルートで朝食を』

Breakfastonpluto 女の心を持つ男の子“キトゥン”が、とんでもなく魅力的。
軽やかでシュールなファンタジィ。

アイルランドの小さな町。教会の前に捨てられたパトリックは、幼い頃から綺麗なドレスやお化粧に興味を示し、自らを“キトゥン”と名乗る。そして、“キトゥン”は実の母親を探すため、ロンドンへと向かう。

少年時代から時の流れにそって語られる形式の物語は退屈に感じてしまうことも多いけれど、この作品はとても軽やかで惹き付けられっぱなしだった。タイトルをつけた章立ても、リズミカル。

なによりも主人公の“キトゥン”がおしゃれでキュートで、素晴らしい。
無味乾燥な制服がスパンコールや刺繍で飾られて、とっても派手でおしゃれな服になった。それが彼に似合っていて、素敵だった。
パトリックという聖者の名前をつけられた少年が、自分を“聖キトゥン”のキトゥンと名乗ってしまうあたりも、可愛い。

実の母親を探しにロンドンへ向かうのもかなり無謀だし、いろいろ危険な目にも遭遇してしまうけれど、キトゥンはいつも前を向いていて明るい。
そして、どんどん美しくなっていくパワーが凄い。
「どうしてみんな、シリアス、シリアスって言うのかしら」というキトゥンが好き。シリアスって言葉を唱えても、ダメなものはダメなのだ。

母親を探しにいったロンドンへ、父親がキトゥンを探しに来てくれた。
彼の明るさを「笑うことが耐える手段だったんだろう」と言うリーアム神父。なんだわかっているじゃないか、と感動。
子供時代からの友人たちとの友情にも泣かされた。

コマドリで始まってコマドリで終わるのが、イギリスの寓話っぽくてホンワカしていた。

シネスイッチ銀座にて(公式サイト

監督/脚本:ニール・ジョーダン
原作/脚本:パトリック・マッケイブ
撮影:デクラン・クイン
音楽:アンナ・ジョーダン
出演:キリアン・マーフィ、リーアム・ニーソン、ルース・ネッガ、ローレンス・キンラン、スティーヴン・レイ、ブレンダン・グリーソン、ギャヴィン・フライデー、イアン・ハート、エヴァ・バーシッスル、ルース・マッケイブ、スティーヴン・ウォディントン、ブライアン・フェリー

Breakfast on Pluto  2005  アイルランド=イギリス

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コメント

こんばんは!TBさせてもらいます。
そうでしたね!、冒頭にコマドリのつがいが、牛乳瓶の蓋をツッツイている、風景から始まりましたね!、そしてラストもキトゥンが牛乳を取りに行くと、コマドリのつがいが仲良く~微笑ましい光景でしたわね!。

パピのママさん、初めまして。コメントとトラックバックありがとうございました。
コマドリが牛乳瓶のフタをつついて、つついてできた穴から牛乳を注いでいたのには、笑いました。
シビアな体験を飄々として流しているキトゥンの明るさもあって、ファンタジィの雰囲気が素敵な作品でした。

キリアンが見たくて、行きたいと思っているのですが、間に合うかなぁ…。彼の瞳は、すごく綺麗だと思っているのです。(^^;)

こんばんは。
大好きな作品です♪TBさせていただきます(引越し前の場所なんでわかりにくくてすみません)。
テーマや美術的な部分もよかったけれど、テンポもよかったですよね。
「シリアス」とシリアスに向き合うのではなく、ちょっと斜めから向き合うと、意外と解決策が見えてくるような、そんな気持ちにもさせてくれた気がしました。
キリアン君にもかなり惚れちゃいました。

あかん隊さん、こんばんは♪
残念ですが、シネスイッチでの上映は終了しちゃいました。
大抵、終了間際に慌てて観に行って、その上感想をあげるのも遅いのです。すみません。
終了前最後の土曜日だったので、それなりに混んでいました。
キリアンは本当に可愛らしかったですよー。

名画座で上映してくれるかも。
ニール・ジョーダン監督は大好きなので、他の作品とあわせて上映して欲しいです。

わかばさん、こんばんは。
わたしも大好きです。
キトゥンは、シリアスには見えないかもしれないけれど、問題から逃げることはないんですよね。決して押し付けがましくはないけれど、かなり前向きな気持ちにさせてもらいました。
ニール・ジョーダン監督って、語り口がとても好きなのです。
myベスト作品は、『モナリザ』です。

こんばんは。
「モナリザ」は未見です。近いうちにトライしたいなーと思います♪
実はそんなに観ていないのです>ニール・ジョーダン監督。「ことの終わり」はあまりピンと来なかったのですが「ギャンブル・プレイ」をクストリッツァ目当てで観てこれは好きと思っていました(というよりニック・ノルティのカッコよさにクラクラ)。
この作品はドンピシャにハマりました。

いわいさん、こんばんわ。
TB&コメントありがとうございました。
キトゥンの魅力全開でしたよね!オシャレで前向きで、とても愛らしかったです。
>彼の明るさを「笑うことが耐える手段だったんだろう」と言うリーアム神父。なんだわかっているじゃないか、と感動。
ココ!私も大好きなシーンです。締めるところはギュッと締める展開も素敵でした。

わかばさん、こんばんはー♪
『モナリザ』は、もう1回観るのをためらってしまうしまう作品です。観た後に、どうしようもないくらいに、泣いてしまったんですー。ボブ・ホスキンスの哀愁に泣かされました。
実は、好きだといいながら未見作品も多いのでした。
『ギャンブル・プレイ』も未見なのでした。トライしたいですー。

隣の評論家さん、こんばんはー。
キトゥン、可愛らしかったですよねー。
決して自分を曲げないのに、そんな風には見えないところが素敵でした。
シビアな現実を軽やかに語っているので、自然に心に沁みてくる映画でした。

ドモドモー♪

キリアン・マーフィー・・・
今までの作品では特に意識してなくって、その他大勢の若手俳優だったのですけど、
いやー、この映画で本領発揮というか、役者としてぐんと飛躍したような気がしますー

>コマドリで始まってコマドリで終わるのが、イギリスの寓話っぽくてホンワカ
これで作品の印象がかなり変わりますよね。
最初と最後で締め括ることで、一つの童話になった気がします~♪

三度、Kenです!
>子供時代からの友人たちとの友情にも泣かされた。
変化し続けるキトゥンの容貌と人生の中で、この友情だけは変わらないんですよね。友人たちの存在が、あっちにフラフラこっちにフラフラと纏まりの無い映画になりかねないこの作品の錨のような役目になっていたような気がしました。

Puffさん、こんばんはー。
キリアン・マーフィーは、本当に素晴らしいかったです。
女装姿も麗しく。普通の男性役ができるのだろうか?と疑ってしまうほどでした。

シビアな事件をくるむ、明るく軽やかなトーンが素敵でした。コマドリの会話も楽しくって、後味スッキリでしたよね。

Kenさん、こんばんはー♪
ちょっとハズレもの同士の友情が、ずーっと続いているというのが良いですよね。
前向きだけど無鉄砲なキトゥンをわかってあげる存在が身近にいるというのが、安心感ありました。
最後は、女同士の友情みたいだったし。ちょっとうらやましかったです。

いわいさん、はじめまして。かいろと申します。こちらの記事にTBを送らせていただきました、よろしくお願いいたします。
C.マーフィーの魅力全開で、とっても素敵な映画でした。いまだにシューガーベイービラーブ♪と頭の中でまわっています。

こんばんは☆
女性より女性らしいキリアン・マーフィー!!
かなりお気に入りになりましたです~
やっぱりお洋服のセンスは見習わなきゃ~笑
それと、やはりおじ様方が素敵でした。 
音楽が懐かしくまた良い選曲で嬉しくなってしましました~

かいろさん、初めましてー。
コメントありがとうございます。
キリアン・マーフィーが素晴らしかったですよねー。
音楽も軽やかで、とても後味の良い映画でした。
そちらにもお邪魔しますねー。

charlotteさん、こんばんはー。
男性が演じる女性って、ハマると女性よりも色っぽくなる気がします。
キリアン・マーフィーは、ちょっとした仕草が女性っぽくて素晴らしかったです。
おじ様たちも、魅力的でしたね。スティーヴン・レイ、老けたなーと思って、ちょっと悲しかったりしましたが。
音楽も良かったです。軽やかさを引き立ててましたよね。

コマドリ通しの会話、よかったですね。
軽快な音楽で、60年代から70年代と。って、音楽はあまり詳しくないんですが。マジシャンのおじさんと暮らしてときがしあわせそうでしたね、キトゥン。

悠さん、こんばんは。
コマドリの会話良かったですよね。
コマドリがあけた穴から何でもないように牛乳を注いでいたところが好きでした。
マジシャンと暮らしている時は幸せそうでしたよね。
スティーヴン・レイは、良い味出していました。

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