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『インサイド・マン』

Insideman 犯人と捜査官の間で繰り広げられる息詰る心理戦。
手に汗握る展開は、サスペンス感たっぷり。

マンハッタン信託銀行で強盗事件が発生する。頭脳明晰なダルトン・ラッセル率いる犯人グループは、従業員と客を人質に取り立てこもる。NY市警のフレイジャーとミッチェルが現場へ急行するも、動きが取れず膠着した状態が続く。一方、事件の発生を知ったマンハッタン信託銀行会長のアーサーは、やり手の女性弁護士マデリーンを現場へ派遣するのだった…。

クライブ・オーウェン演じるダルトン・ラッセルの独白から、ギュッと気持ちをつかまれる。「二度と繰り返さないからよく聞け。」なんて言われたら、緊張しちゃう。
芝居好きとしては、"There's the rub."って、ハムレットのどこの台詞なのか気になったのだけど、有名な"To be, or not to be"で始まるモノローグの一部だった。アメリカの人は、そこだけ聞いてハムレットだとわかるのかな。

犯罪トリックは、ルパン三世を思い出させて、痛快だった。
木を隠すなら森の中といった、人質全員を共犯にするやり方には既視感はあるけれど、こういう風に視覚化されると、やはり幻惑されてしまう。
事件終了後の取り調べ風景も挿入して、犯人が誰かを探す楽しみも感じさせてくれる。

警察と犯人グループの息詰る攻防戦だけかと思ったら、銀行会長から派遣された弁護士も絡んできて、物語の落としどころがどうなるの?と思わせられちゃうところも面白い。

盗聴した言語が不明だからと、外の野次馬に聞かせてアルバニア語だと解ってしまったり、アラブ系と間違われちゃうインド人とか、人種の坩堝NYの実態をさりげなく描いたりして、その辺りはスパイク・リー印なのかな。

訳ありっぽい交渉人フレイジャー役がデンゼル・ワシントンで、やり手の弁護士はジョディ・フォスターだったり、現場を統括する警部にウィレム・デフォーで、銀行の会長がクリストファー・プラマーなんて、人物の背景を裏読みしてしまうキャスティングも凄い。

オープニングとエンディングの曲は軽快なインド・ミュージックで、しばらく耳に残った。

それにしても、タイトルがネタバレだったとは。途中で気づいてしまったわん。

みゆき座にて(公式サイト

監督:スパイク・リー
脚本:ラッセル・ジェウィルス
音楽:テレンス・ブランチャード
出演:デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマー、ウィレム・デフォー

Inside Man  2006  アメリカ

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コメント

>"There's the rub."
わかりませんでした(T_T)。
最後が読めませんでしたので、まさか、穴の中にひそんでいたとはでした。

悠さん、こんにちはー。
字幕では「ハムレットの台詞だ」となってましたけど、実際には出典は言っていなかったように記憶しています。
穴のトリックは、途中の穴堀場面と、ダルトンのモノローグの時チラリと映る背景で、何となくわかってしまいました。ウフ
配役で煙に巻かれた部分も多くて、楽しかったです。

いわいさん、こんにちわー。
この作品、なかなか楽しめました。豪華な出演者からイメージされる雰囲気の中にも、随所にスパイク・リー節が炸裂していたような気がして好きでした。
>それにしても、タイトルがネタバレだったとは。
この辺も、安っぽくなくて好みでした。私の周りでは「え~、よくわかんなかったー」という声が挙がっていましたが。大作を撮ってもスパイク・リーなんだなぁと感心した私です。

隣の評論家さん、こんばんは。
コメントとトラックバックをありがとうございました。
豪華なキャスティングで、大作っぽいと思って臨んだら、案外軽く観られてしまった、という感じです。
わたしの最初の印象はやはり、「ルパン三世みたい」だったので。
後から、いろいろと疑問が出てきましたけど。それもまた、余韻ということで。

いわいさん、こちらにもどもども!
>ルパン三世を思い出させて
そうですね、ある意味マンガのようなトリックではありましたが、映画的な説得力は十分あったと思いましたです。
スパイク・リー初のメジャー作品ということですが、フレイジャーの彼女の部屋のクールな様子とか随所に「らしさ」が感じられてニヤッとするところも多かったです。

Kenさん、どうもですー。
映画的な説得力、ありましたねー。
マンガかよっ、と突っ込みながらも楽しかったし。
そうそう。フレイジャーの彼女の部屋クールでした。
スパイク・リー初メジャーなんですか。
こういう作品をそつなく作ってしまうんですねぇ。

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