« 『カサノバ』 | トップページ | 『ベルリン・天使の詩』ーBOW30映画祭ー »

『ジョルジュ・バタイユ ママン』

Mamere エロティシズムというのは、突き詰めていくとこうなるのだろうか?

バタイユの思想は、やっぱり難しい。

    17歳のピエールは、美しい母エレーヌに会うために、スペインのカナリア諸島を訪れる。
しかし、母はピエールが思い描いていた顔とは別の顔を持っていた。
ふしだらな母親が導く、残酷で不道徳な愛。

美しい母親を崇拝していた息子が、父親の死をきっかけにして、母親の魔性を知り、母親によって、エロスの闇に引きずり込まれていく、という背徳的な物語。

堕落こそが最も純粋で強烈なものであるとして、それを息子に与える母親という構図は、かなりスキャンダラス。直接そういう行為はないにしても、近親相姦的な香りが漂っている。
そして、倒錯的で過激な行為を行い、純粋な快楽を求めるエレーヌは、求道者のように思えてくる。身体を汚し傷つけ、神を冒涜することによって神の教えから解き放たれようとするのは、修行のようにもみえた。神の存在がかなり重きを持っているように思えたのも、興味深い。
性交シーンは生々しくはあるけれど、過激で痛々しく、扇情的な気持ちになることはなかった。たくさん出てくる裸も、キレイじゃないし。

イザベル・ユペールのクールな視線と美しい存在感により、エレーヌの刹那的生き方が、痛々しいだけではなく、不思議な魅力を持つものに見えた。
立っているだけでも美しいその佇まいが素晴らしい。
母親の隠された姿を知って戸惑いながらも、その導きに従うピエールは、ルイ・ガレル。端正な美しさにアンニュイを滲ませて、際どい場面も魅せてくれた。

若く美しい青年が堕ちていく物語は好きなので、満足。

過激な描写のなかにも、何となく滑稽な風味もあった。
特に、「ハッピー・トゥギャザー」をBGMにしたラストシーンでは、唖然とした後で、笑いがこみあげた。

テアトルタイムズスクエアにて(公式サイト

監督/脚本:クリストフ・オノレ
撮影:エレーヌ・ルバール
原作:ジョルジュ・バタイユ『聖なる神』三部作「わが母」
出演:イザベル・ユペール、ルイ・ガレル、エマ・ドゥ・コーヌ、ジョアンナ・プレイス   

Ma mère 2004 フランス

« 『カサノバ』 | トップページ | 『ベルリン・天使の詩』ーBOW30映画祭ー »

コメント

これ、結局レヴュー書いてないんだけど、雰囲気がすごく気に入りました。
日差しをうけるイザユペの肌の感じとか・・。

かえるさん、こんばんはー。
いけない雰囲気と、ちょっと滑稽な雰囲気のマッチングがいい感じだったと思います。
イザベル・ユペールが大好きなのです。
肌がソバカスだらけですよね。角度によって、もの凄く美人に見えたり、老けて見えたり。女優さんって、不思議です。
昨日は、恵比寿で写真展をみてきましたー。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137003/11174253

この記事へのトラックバック一覧です: 『ジョルジュ・バタイユ ママン』:

« 『カサノバ』 | トップページ | 『ベルリン・天使の詩』ーBOW30映画祭ー »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

最近のトラックバック

つぶやき


2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

天気ブログパーツ