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『ラルジャン』ーBOW30映画祭ー

Largent登場人物の誰にも感情移入を許さない厳しさが素晴らしい。
冷静で透明な視点は、最後まで緊迫感を持続させていて、そしてとても衝撃的。

少年が贋札を写真店で使う。それが贋札だと気づいた店主夫妻は、燃料店への支払いに使う。贋札を支払われた青年イヴォンは、それに気づかず食堂での支払いに使ってしまい、逮捕された。
写真店の店員ルシアンが偽証したことで有罪となり失業したイヴォンの運命は転落していく。

ラルジャン=お金に翻弄される人々を描いている。

登場人物は無表情で、台詞もほとんどない。画面の色も抑えられている。
ほとんど動かないカメラが人々の行動を静かに映し出して、その姿をずっと見つめているしかない。ほとんどアップのない、場面の切り取り方が素晴らしい。
イヴォンが食堂で疑われる場面での手。出所してから泊まったホテルの場面での洗面所。最後の殺戮場面での壁。
どれほどのことが起こったのかを、いやでも想像させられてしまうその凄さ。

聖母のような女性の存在がこの世の赦しのように思えた。
その女性の家で飼われている犬の存在も印象的。あまりにも自然に演技している。その犬が惨劇場面でのアクセントになっていた。

前日には完売になっていた。本日1回のみの上映ではもったいない、素晴らしい作品。
ラストの瞬間まで強烈に心に残る。

シャンテシネにて BOW30映画祭

監督/脚色/台詞:ロベール・ブレッソン
原作:トルストイ「にせ利札」より
撮影:パスカリーノ・デ・サンティス、エマニュエル・マシュエル
出演:クリスチャン・パティ、カロリーヌ・ラング、マルク=エルネスト・フルノー、ブリューノ・ラペール、シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン

L' ARGENT 1983 フランス=スイス

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