« 『六月大歌舞伎』夜の部 | トップページ | 『ブギーマン』 »

『ダック・シーズン』

Temporadadepatosスペイン語のボサノヴァが流れるオープニングからいいかんじ。アレンジもポップでなんとな〜くウキウキ気分。

母親に留守番を頼まれた14歳のフラマが、親友のモコと2人過ごす日曜日のはずだった。
隣に住む女の子リタが、オーブンを借りにきてケーキ作りを始めてしまうし、宅配ピザの配達が11秒遅れたと支払いを拒否したら、宅配人のウリセスが玄関に座り込んでしまうし、部屋はわけがわからない状態になっていく。

ほとんど固定されて動かないアングルと白黒の画面が、なんともいえない空気感を出していた。
ちょっとしたエピソードの積み重ねを、絶妙な間で繋げていて、くすっと笑ってしまう。

2つのコップにコーラを注いで、2つともぴったりと終わったのは歓声をあげそうになった。泡を指で止める方法があるなんて知らなかった。へぇー。
停電のタイミングも、その時のフラマとモコの顔も絶妙だった。
ピザのお金を払わせようと、フラマと真剣にサッカーゲームをしてしまう子供なウリセスだけど、心に鬱屈の気持ちは溜まってる。
強引に上がりこんできたリタのメチャクチャなケーキの作り方もスゴかった。おいしいわけがないと思っていたけど、ブラウニーはおいしかったのね。何か炒めて材料に入れたのは知っていたけれど、そんな楽しいことになってしまうとは。
誕生日のケーキを自分で作っていたのだと知ったら、お祝いしないわけにはいかないよな。
それぞれの気持ちがほぐれて、ちょっとずつ心を開いていく。
ゲーム好きで無感動な少年たちだと思っていたけれど、やっぱり14歳。リタもウリセスも、いろいろな思いを胸に秘めていて、それぞれが孤独な気持ちを抱えている。
4人で踊るダンスとか、4人で並んだベランダとか、ほのぼのとしたやり取りに、微笑んでしまう。
アヒルだって空を飛べるかも。確かに。

絶妙の間を作り出す映像と編集も良かったけれど、音楽もとても魅力的。

シアター・イメージフォーラムにて(公式サイト

監督/脚本:フェルナンド・エインビッケ
撮影:アレクシス・サベ
編集:マリアーナ・ロドリーゲス
音楽:アレハンドロ・ロッソ
出演:エンリケ・アレオーラ、ダニエル・ミランダ、ディエゴ・カターニョ・エリソンド、ダニー・ペレア 

TEMPORADA DE PATOS/DUCK SEASON  2004  メキシコ

« 『六月大歌舞伎』夜の部 | トップページ | 『ブギーマン』 »

コメント

いわいさん、毎度!
いわいさんの記事、「うんうん」と頷きながら読んでしまいました。
すごーく幸福な作品でしたよね。
何だか、部活の後ダラダラ部室に残って無駄話をし倒しナチュラル・ハイになっていた時と同じような空気感を感じました。
・・・わかりにくい例えですみません(笑)。

この主題歌が入ったアルバム、方々を探してやっと見つけたときも嬉しかった!
今でも愛聴盤であります。

メキシコ映画ってシリアスタッチのものがほとんどだった気がするので、こんなかわいい映画もあるのかと嬉しい収穫でした。
コーラを注ぐシーンはナニゲないけど私も気に入っていますー。
サントラ、いいなー。

Kenさん、こんばんは♪
Kenさんの例えは、何となくわかりますー。
みんなでダラダラしているのが楽しかった時って、ありました。懐かしー。時間に追われていないからできたのかもしれないけど。

アルバム購入されたのですね。
わたしは、HPのPVをたまに見て楽しんでいます。

かえるさん、こんばんは♪
そうそう、わたしのメキシコ映画のイメージも、シリアスで生々しいものだったのです。
そのイメージと全然違っていたので、びっくりー。
微笑ましい映画でした。
わたし、コーラを買って、同じことをやってしまいました。
確かに、泡が止まるのです。指にはついちゃうけど。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137003/10724901

この記事へのトラックバック一覧です: 『ダック・シーズン』:

» 【映画】ダック・シーズン [セルロイドの英雄]
"Temporada de Patos" 2004年メキシコ監督)フェルナンド・エインビッケ出演)ダニエル・ミランダ ディエゴ・カターニョ エンリケ・アレオーラ ダニー・ペレア満足度)★★★★☆ (満点は★5つです)シアター・イメージフォーラムにて メキシコ・シティーのアパートメント。ピザを頼みテレビ・ゲームに興じる留守番中の14歳の少年フラマ(ダニエル・ミランダ)と親友のモコ(ディエゴ・カ... [続きを読む]

» 『ダック・シーズン』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
すっとぼけたまったり感が愛おしい。 メキシコのジャームッシュなお気に入りテイスト。 停電が起こったとある日曜日、部屋で留守番をする14歳のフラマと遊びに来ていた親友のモコ、そこに同じアパートに住むリタ、ピザ宅配人のウリセスが加わって・・・。こういうタッチの映画は大好き。 MTV出身のこの監督はジム・ジャームッシュを敬愛しているらしい。淡々としたモノクロ映像で綴られる日常のオフビート感は確かに以前のジャームッシュ映画のような味わいがある。ドラマチックには遠く、いくつものさざ波が起こる一室の数... [続きを読む]

« 『六月大歌舞伎』夜の部 | トップページ | 『ブギーマン』 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

最近のトラックバック

つぶやき


2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

天気ブログパーツ