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『立喰師列伝』

Tachiguishi押井守監督がイメージした、個人的な戦後史。
デジタル写真を3DCGアニメーションとして動かす「スーパーライヴメーション」という新映像技術が用いられて、独特な雰囲気の映画になっている。

「立喰い師」とは、蘊蓄をたれたり、難癖をつけたり、言葉巧みに無銭飲食を繰り返す、アウトローのこと。監督によって生み出された架空の存在だ。

時代が大きく転換する瞬間に現われた伝説的立喰い師たち。
戦後の復興期、日米安保条約締結直後、東京オリンピック開催、日本万国博覧会開催などなど。
戦後史をなぞりながら、話しが進む。
嘘も本当も入っていて、そのあたりの作り込みが素晴らしく凝っていて、笑える。
本当の事件を再現した映像の作り込み具合にニヤリとさせられる。
そして、とにかく、膨大な情報量。難解な用語で理屈っぽいナレーションが延々と続く。全部を理解することなんて無理だけど、この理屈っぽさにも笑えた。
そのナレーションを入れて全9役という、山寺宏一の活躍が凄い。

日本のポップカルチャーを代表するようなクリエイタたちが結集したことも話題。
それも、キャストとして出演しているのは、押井監督の希望だそうだ。

「ライヴメーション」という特殊な技術を使用したのは、「実写では情報量が多過ぎるし、アニメではリアリティが足りない」という不満からだそう。
押井監督のこだわりが100%注入された作品といってよいのかも。

全編ポーランドでロケを敢行した『Avalon アヴァロン』においても、実写をそのまま使わずにデジタル加工を加えて作品とした押井監督だけれど、それでも物足りなかったのかしら。『Avalon アヴァロン』をライヴメーションではやらないとは思うけど。

上映館のシネクイントは、改装したばかり。
音響も良く、スクリーンの映像がとてもクリアなことに驚く。他の劇場で観ていた予告編も、別のもののように鮮やかに見えた。

シネクイントにて(公式サイト

原作・脚本・監督:押井守
撮影:坂崎恵一
3DCG:IKIF
ビジュアルエフェクツ:江面久
音楽:川井憲次
音響監督:若林和弘
出演:吉祥寺怪人、兵藤まこ、石川光久、川井憲次、河森正治、樋口真嗣、寺田克也、鈴木敏夫、品田冬樹、神山健治
声の出演:山寺宏一、兵藤まこ、榊原良子

2006  日本

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