« 『柔道龍虎房』 | トップページ | 5月のまとめ »

『歓びを歌にのせて』

Asitisinheaven音楽は、人の心を開くし、人の心を強くする。
そして、人の心を動かすことができる。

そう思わせてくれる映画には、感動させられるに決まっているのだった。

指揮者として世界的な名声を得ているダニエル・ダリウスは、演奏会の本番中に倒れてしまう。彼はスケジュールを白紙にして、幼少時代を過ごしたスウェーデン北部の村に1人で戻る。両親も既に亡く、立った独りで暮らし始めた彼は、村の聖歌隊の指導をすることになった。

音楽を通じて生きる歓びや強さを獲得する物語は、それほど珍しくないと思う。
でも、その指導者自身が、音楽の世界から一度は身を引いてしまった指揮者であるという設定が効いている。指導する側も指導される側と同じように、音楽の素晴らしさに目覚めていくのだ。

「自分の声を見つけよう」と、メンバを指導するダニエルのやり方は、ちょっと変わっていて、受け入れられにくい。それぞれが自分自身と向き合うことを促し、そのことで争いが起こったりもする。ダニエル自身にも、今まで経験しなかった感情が沸き上がってくるというのも、面白い。
それまでの関わってきたプロの音楽家たちとは違って、聖歌隊の人々とは私生活まで踏み込むような深い関わりを持つことになる。そして、彼らがかけがえの無い愛しい存在に変わっていくのだ。

村で開いたコンサートの成功はとても感動的だったけれど、そこで終わらないところが、この物語の深いところ。
村の名士であった牧師や暴力で妻を縛り付けていた夫の存在は、印象的だ。

人間の歌声の素晴らしさに圧倒されるしかないラストシーンは、もの凄く感動させられた。人の心を動かす力を持つエモーショナルなハーモニー。

しかし、ラストのダニエルをめぐるシークエンスは好きじゃなかった。彼は夢を果たして、幸せになったのかもしれないけれど。

天使のようなレナの笑顔が素敵だった。

ギンレイホールにて(公式サイト

監督/脚本:ケイ・ポラック
音楽:ステファン・ニルソン
出演:ミカエル・ニュクビスト、フリーダ・ハルグレン、ヘレン・ヒョホルム、レナート・ヤーケル、ニコラス・ファルク、インゲラ・オールソン

SA SOM I HIMMELEN/As it is in Heaven  2004  スウェーデン

« 『柔道龍虎房』 | トップページ | 5月のまとめ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137003/10457289

この記事へのトラックバック一覧です: 『歓びを歌にのせて』:

» 「歓びを歌にのせて」 [映画通の部屋]
「歓びを歌にのせて」SA SOM I HIMMELEN / AS IT IS I [続きを読む]

« 『柔道龍虎房』 | トップページ | 5月のまとめ »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

最近のトラックバック

つぶやき


2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

天気ブログパーツ