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『團菊祭五月大歌舞伎』夜の部

May_kabuki團菊祭とあって、銅像が1階に降りてきていた。
(その写真↓)

Dankiku

寝る前から微熱があって喉が痛かったのだけれど、朝になっても改善しないので、医者に行った。薬を飲んで、フワフワな気分での観劇。

一、「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」近松門左衛門作
    将監閑居の場

あまり好きな題材ではないのだけれど、夫婦の情愛を描いているのが分かりやすいからか、時間的に適当なのか、しょっちゅうかかる演目。
又平とおとく夫婦が、花道から出てきて、さわやかな夫婦だなぁ、とか思っているうちに睡魔に襲われた。多分薬のせいだ、ということにしておこう。
起きた時には、絵が抜けていた。
夫婦の見せ場をほとんど飛ばしているので、ノーコメントとするしかありません。

二、上「保名(やすな)」清元連中 下「藤娘(ふじむすめ)」長唄囃子連中
チラシをみて、びっくりした。「保名」と「藤娘」が逆なのでは?という気もした。

「恋や恋われ中空に なすな恋」から始まる清元が美しい「保名」。
恋人榊の前を失ってしまい、正気を失った安倍保名が、恋人の面影を求めてさまよう舞踊なんだけれど、菊之助はどうみても正気にしか見えないのだった。
形見の小袖を抱きしめても、悲しみに浸っているようにも見えないし。
でも、姿が美しいのは良いし、丁寧に踊っているのはわかった。清元を聞きつつ、夢心地。  

暗かった舞台がパッと明るくなった時に、舞台一杯の藤の花とともに、海老蔵の藤娘。さすがに、ジワがでていた。大きいけれども、かなりほっそりとして見える姿と顔は、とても美しかった。
大きな藤の花房を持って、可憐に踊る海老蔵。男が踊る女形舞踊という歌舞伎の妖しさを実感させてくれるような、そんな踊りだったと思う。ちょっと不思議な気持ちになった。

安倍保名:菊之助 
藤の精:海老蔵

三、「黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)」河竹黙阿弥作

歌舞伎十八番「助六」のパロディが散りばめられている「世話の助六」だそうだ。

序幕からかなり笑える。新吉原三浦屋の新造白玉が廓を抜け出し、両替屋の番頭権九郎と駆け落ちする、その道行き。菊五郎が演じる権九郎の醜男メイクに、観客は大受け。
白玉の間夫の牛若伝次が現れて、権九郎を不忍池に突き落としてしまう。
美しい白玉と色男の牛若伝次は、菊之助と海老蔵の組み合わせで文句なし。直次郎のように去っていく海老蔵が格好良かった。最近変だと感じていた台詞回しも気にならなかったし。
そして、不忍池に作り物の鴨が泳いでいたところから、伏線をはっていたのだった。シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」にのって、着ぐるみ姿で池から登場する菊五郎。場内は一瞬唖然としたようだったけれど、「恋のダウンロード」の下座で、大爆笑になっていた。こういう分かりやすいネタは、歌舞伎座の客には受け入れやすいと思われる。

二幕目からが、「助六」のパロディ。人物設定が、いろいろと変わっていて元ネタを知っているとより楽しめる。股くぐりの場面もあったり。
意休に当たる鳥居新左衛門と助六のやり取りが、面白い。鳥居の方が、煙管を足に挟んだり、下駄を頭に載せたりする。
揚巻は、三浦屋の店先から登場する。「助六」の揚巻と同じ素晴らしく派手な衣裳がうれしい雀右衛門。もうすぐ千穐楽だというのに、台詞を覚えていらっしゃらないようなのが、ちょっと淋しいけれど、美しい姿を拝見できたことは素直にうれしい。

大詰めは、気持ちよい立回りで締めてくれた。

番頭権九郎/花川戸助六:菊五郎/紀伊国屋文左衛門:梅玉/鳥居新左衛門:左團次/新造白玉:菊之助/牛若伝次:海老蔵/遣手お辰:鐵之助/朝顔仙平:亀蔵/三浦屋女房お仲:田之助/三浦屋揚巻:雀右衛門

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