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チェコアニメ映画祭2006 Dプログラム

Jablonova先日行ったBプログラム(その時の感想)に続いて、Dプログラム。お目当てはポヤルの《不思議な庭シリーズ》。

美術のミロスラフ・シュチェパーネクを堪能できるプログラム。

「CK strelnice / シューティング・ギャラリー」69年/5分/カラー
  監督:ミロスラフ・シュチェパーネク/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

民衆の生活をあらわした木のレリーフや人形を使った風刺作品。スターリンに似せた人物が、銃でスウィッチを打つとレリーフが動き出す。銃の音が耳に突きささる。男女のカップルが恋をして枠から逃げ出すと、今までの決められた動きとは違った自由で滑らかな動きに変わるところがハッとさせられる。しかし、彼らは撃ち殺され、槌で潰されてしまう皮肉。
無表情な人物と、調子のはずれたオルゴールみたいな音楽が面白い。

「Jablonova panna / りんごのお姫」71年/10分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

カレル・ヤロミール・エルベンの民話を元にした人形アニメーション。
りんごから生まれたお姫さまに一目惚れした王子は、指輪を贈り城に連れ帰る。城への帰り道、お姫さまは魔法使いに殺され、魔法使いがお姫さまにすり替わる。
魔法使いはお姫さまに化けるわけではなくて、半分腐ったような恐ろしい容貌のまま、城内にはいるところが面白い。魔法使いの使い魔は、人間の顔をしたカラスみたいな怪物で、ゲーゲー鳴いて人間を威嚇する。
王子さまは結婚を止めたいけれど、契約の印である指輪をみせられて、黙るしかない。殺されたお姫さまは、鳥になったり、花になったりして、王子さまにアピールするけれど、一足早く魔法使いに邪魔されてしまう。このあたり、うじうじしていて、煮え切らない王子の造形が面白いところ。最後には、当然ハッピィエンドなのだけれど、お姫さまが自ら勝ち取る幸せだった。全編セリフなし。
ヨーロッパの民話を元にしているので、先日観た川本喜八郎監督「いばら姫またはねむり姫」をちょっと思い出した。(その時の感想

ここから、《ふしぎな庭シリーズ》

Milovnk 「Milovnik zvira / 動物が好きな男」84年/15分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

孤独な老人が動物を飼う。小さくて元気な魚はどんどん大きくなってクジラになり、小さくて可愛らしかった子犬たちはゾウになってしまう。動物たちは悪くないからと、クジラのために湖のある大きな庭で暮らし始めるところが泣かせる。子猫を飼うけれど、成長を待たずに老人は亡くなり、庭は荒れ果て、やがて庭は忘れ去られる。
優しくて、不思議なお話。

「O te velke mlze / 広がる霧」75年/14分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

男の子たちは、登校途中にふしぎな庭の入り口を見つける。庭で遊ぼうとするが、怒ったネコがいたので、慌てて逃げ出す。遅刻しそうな男の子たちを、ゾウたちが学校まで送っていってくれる。
1話の可愛らしかった子猫が、このネコに?と思ってしまう、スレたネコ。

「Jak ulovit tygra / トラをつかまえろ!」76年/18分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

ネコに見つからないようにこっそりとふしぎな庭に入った男の子たちだけれど、ネコに見つかってしまい、追いかけられて絶体絶命。ゾウに助けられて一安心。ゾウたちが、楽しそうで可愛らしい。

「O mysich ve staniolu / 銀紙に包まれたネズミの話」77年/15分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

銀紙に包まれたネズミ(キャンディーやチョコレート)を食べすぎて病気になったネコのために、男の子たちがあれこれ面倒をみさせられてしまう。ネコは、相変わらずスレッカラシ。

「Velryba abyrlev / くじらのらじく」77年/14分/カラー
  監督:ブジェチスラフ・ポヤル/美術:ミロスラフ・シュチェパーネク

4人の男の子たちが、ふしぎな庭に住んでいる頭のいいクジラに会いに行く。雑誌を積み上げて読破しているクジラ。身の回りの世話をしているらしいカエルたちがキュート。カエルたちがうたう歌も面白かった。

実は、《ふしぎな庭シリーズ》の1作目を勘違いしていて、「動物が好きな男」は別のお話だと思っていた。妖精の像は一緒だけれど、テイストがちょっと違うし、何といってもネコのキャラクタが可愛くないので、全然思いつきもしなかったワタクシだった。クジラが出てきて、さすがにわかったけれど。遅いよ。<自分

吉祥寺バウスシアターにて(映画情報

REN CORPORATIONのサイト

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