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『ラストデイズ』

Lastdays 1994年4月にニルヴァーナのカート・コバーンは自ら命を断った。
その死に衝撃を受けたガス・ヴァン・サント監督が、“誰も知らない最期の日々”を描いた映画。

映画は、リハビリ施設を抜け出した主人公ブレイクが、薄汚れた格好でぶつぶつと独り言をつぶやきながら、森の中を彷徨う場面から始まる。
ブレイクの独り言は、まるで言葉になっていないように聞こえる。字幕があるから何を言っているのか知ることができるけれど、英語圏の人は理解できるのだろうか?と疑問になるようなつぶやき。

そして、たどり着く廃墟のような家は、どうもブレイクの自宅のようだ。
その家に出入りするのは、友人らしき人々、イエローページのセールスマン、モルモン教の布教者たち、私立探偵など。

先入観のせいか、ブレイクには死の影が漂っているように感じられるのに対して、出入りする彼らには生活の匂いがする。明らかに挙動不審なブレイクなのに、そのことをあまり気にしていないみたいで、ブレイクは孤独だ。既にこの世に存在していない幽霊のように思えてくる。

音楽を演奏する場面が彼の生きている証なのか。誰もいなくなった家のスタジオ(?)で、大音響でドラムやギターを演奏し、叫ぶように歌をうたうブレイク。

“カート・コバーンに捧ぐ”という言葉がなければ、ひとりの孤独な若者の死に関する映画として、嫌いではないと思う。静かでゆったりとした絵作りなどは、好き。

でも、ニルヴァーナの曲を大音量で聴くことができると思って、劇場に向かった部分が大きいので、ニルヴァーナの曲がひとつも使われていないことにはがっかり。
予告編で"SMELLS LIKE TEEN SPIRIT"が使われていたので、期待していたのだけど。マイケル・ピットのヴィジュアルも、カート・コバーンにかなり似せているし。

ブレイクが歌う"Death to Birth"(マイケル・ピットが作った曲)は、心に残った。

シネマライズにて(公式サイト

監督:ガス・ヴァン・サント
音楽コンサルタント: サーストン・ムーア
出演:マイケル・ピット、ルーカス・ハース、アーシア・アルジェント、キム・ゴードン、ハーモニー・コリン、リッキー・ジェイ

Last Days  2005  アメリカ

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コメント

"SMELLS LIKE TEEN SPIRIT"劇中で使われてないんですか?
えええ…何かそれやり方が汚いような…
僕もニルヴァーナが好きでした。
語れるほど詳しくはないんですがリアルタイムだったし、
それだけにちょっと見る気がしませんでした。
キム・ゴードンに興味がありましたけれども。

現象さん、こんにちは。
そうなんですよ。予告編の作り方があざといというかなんというかです。
でも、日本の公式サイトで観ることができるのは、アメリカ版の予告編で、日本版の予告編は劇場でしか観ることができないみたいです。権利問題なのかな。
わたしも、ニルヴァーナを語ることができるほど詳しいわけではないけれど、好き。実話ではないということで、逆に興味を持ったんですけどね。
主役のマイケル・ピット以外は、ほとんどカメオ出演的な役どころだったような気がします。。
ハーモニー・コリンなんて、クレジットされてるけど、どこに出てたの?って思いました。

いわいさん、こちらにもこんばんは!
これ、結局予告で流れた"Smells like Teen Spirit"がいちばん良かった、という感じですよね。
僕にとっては、どうにもこうにもノレない作品でした。マイケル・ピットだって、ただ精神に破綻を来たしたミュージシャンをうまく演じる普通の人にしか見えなかったし、自作曲にしても特に新鮮味もなく・・・。
『エレファント』が大傑作だったので結構期待して観にいったんだけどなあ。

Kenさん、こんにちは〜!
全くのれなかったのですね。
自作曲もダメでしたかー。
わたし自身は、あの劇場予告編を観ていなければ、普通に楽しむことができたかも、と思っています。
いつニルヴァーナの曲が出てくるのかな、と頭の片隅で考えながらの鑑賞だったので、肩すかしをくらいました。
日本版の予告編は、興行的には成功だったのではないかと、大きい方のシネマライズにかなり人がはいっているのをみて思いましたけれど。

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