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『ふたりのベロニカ』(ニュープリント版)

Veronique クシシュトフ・キェシロフスキの遺稿を映画化した『美しき運命の傷痕』の公開にあわせてなのだろう、ニュープリント版での上映がうれしい。
ずっと見逃していた作品だった。

とても不思議で幻想的な映画。ストーリィは、あるようなないような。
ポーランドのべロニカは、ある日、広場にいた観光客らしき人々のなかに、自分とそっくりな顔の女性を見つける。その女性は、彼女に気づくことなく観光バスに乗って去っていった。そして、舞台の上で歌をうたっている最中に、倒れて死んでしまう。
パリのべロニカは、その痛みを感じとったのか、ベッドの上で涙する。
そして、突然音楽の道を捨て、偶然出会った絵本作家と謎を解くように恋愛をする。

紹介で書かれているような、“同じ年、同じ日、同じ時刻に生まれた二人” ということは、映画のなかでは説明されない。
ポーランド旅行の時に撮った写真に、偶然写っていた自分そっくりの女性を見つけ、ずっと感じていたもう一人の自分とその死への実感に、涙するべロニカ。
そんな彼女を癒すのが、絵本作家が語る”ふたりのべロニカ”の物語。

二人のべロニカの間には、何か繋がりがあったのだろうか。どうして、ポーランドのべロニカは死んでしまったのだろうか。絵本作家の語る物語では、ポーランドのべロニカの存在が哀し過ぎた。
でも、美しい謎は解かれることがないからこそ、心に残るのかも。

オレンジがかった色調の画面が、幻想的で美しい。
ポーランドのべロニカが、雨に濡れながら歌をうたう場面には、生きる喜びに震える瑞々しさが満ちていた。イレーヌ・ジャコブの可憐な美しさは、神々しいほど。

素晴らしい音楽に包まれたことにも感動。大好きな『デカローグ』や『トリコロール/青の愛』と同じ、ズビグニエフ・プレイスネル。

最近、こういう映画って観ていなかったかも。
映画館で観られて幸せだった。

Bunkamuraル・シネマにて(公式サイト

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ
撮影:スワヴォミル・イジャック
音楽:ズビグニェフ・プレイスネル
出演:イレーヌ・ジャコブ、フィリップ・ヴォルテール、サンドリーヌ・デュマ、ルイ・デュクルー

La Double Vie De Veronique 1991 フランス=ポーランド

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コメント

こんにちはー。
ああ、私もベロニカがスクリーンで見たかったですー。
色調がとにかく美しいですよね。
ニュープリントはよりよかったのでしょうか?
キェシロフスキ作品はみんなみんな好きです。


かえるさん、こんにちは〜♪
ヴィデオではみたくなくて、スクリーンで上映してくれるのを待ち望んでいたのでした。
より良くなったのかはわからないのですが、とにかく美しかったですー。
音もよかったと思います。
シネマアンジェリカの特集上映で、『トリコロール/青の愛』と『デカローグ』の1話目(とても印象に残っているので)は観たかったのに、見逃しました。
最近、映画の上映が多くてうれしい悲鳴です。

いわいさん、こんばんは!
TBありがとうございました!こちらからも全てお返ししようと思ったのですが、どうも『アメリカ~』しかうまく行かなかったようです。
ココログ何か最近たいへんそうですね・・・。
僕も『デカローグ』とか『トリコロール』とか好きなのですが今作は未見で、この機会に観に行ってきました。いやいや、期待に違わず良かったです!
光に、音楽に、物語に浸る喜び。
これは映画館で観て正解でした。

Kenさん、こんばんはー。
TBの件、ココログで対処完了したと聞いたのですけれど、まだダメなことがありますか。ココログ同士でも失敗することはありますので、気が向いたら再トライしてみてくださいね。

Kenさんも未見だったのですね。わたしも待ち望んでいて、スクリーンでみられたことが本当に幸せでした。
> 光に、音楽に、物語に浸る喜び。
まさに!映画館で観て、浸ることができる幸せ。
こういう映画があるから映画館通いは止められません。
あぁ、『デカローグ』も観ればよかった。

こんばんは♪
TBありがとうございました!
こちらのミニシアターでは「美しき運命の傷痕」と交互上映でした。
劇場で見ることが出来て幸せ~!
二人の繋がりなどこちらが予測するだけで、何の説明もなく、それでも確かに何かを感じられる作品でしたね~。
ポーランドのベロニカのBFの顔などちょっと判別が出来なかったので(汗)、もう一度ビデオで確認しなくちゃいけないかも。

ミチさん、こんにちは♪
こういう映画を観ると、劇場で観た幸せを感じますよねー。
こちらの想像力を刺激する(というか想像するしか無いのですが)映画というのは、ハマるととても心に残ります。
余白や行間がとてもたくさんあって、それがまた感動を広げてくれました。
確かに、何度でも観て確認したくなる作品ですよね。

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» 映画「ふたりのベロニカ」 [ミチの雑記帳]
映画館にて「ふたりのベロニカ」 ポーランドの巨匠キェシロフスキ監督没後10年を経てニュープリントで蘇った傑作。 ポーランドとフランスで同年同日に生まれた二人の女性。名前も同じベロニカ。瓜二つの容貌と音楽の才能まで同じの彼女たちを巡る幻想的な物語。 “ポーランド” ポーランドのクラクフに住むベロニカ(イレーヌ・ジャコブ)は美しい声の持ち主。抜擢された舞台の上で歌っている最中突然倒れて死んでしまう。彼女は生前「私がもう一人いるみたい... [続きを読む]

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