« PARCO歌舞伎、当日券ゲット〜! | トップページ | 『エレンディラ』のチラシ »

PARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』

当日券を無事に手に入れることができ、『決闘!高田馬場』を観ることができた。

席に着くと、舞台の幕が開いているのだ。
舞台の奥、真正面の高いところに竹本、長唄、鳴物の人たちがズラリと並んでいるのが、紗幕を通して丸見え。
で、その他にはセットらしきものは見えず、盆があることだけがわかるシンプルさ。歌舞伎座とはまるで異なる空間に、劇場全体が静まり返っている気がして、何だか落ち着かない。

そして、テーマ曲ともいうべき音楽が始まった。
音をマイクで拾っているのか、ちょっと聞き取りにくい。かなりアップテンポなので、歌がうまく乗っていないかんじ。せっかく面白い(と思われる)歌詞が半分くらいしかわからなかったのが残念だけど、このテンポで走り抜くという意思表明だと受け取った。

舞台美術からして、PARCO歌舞伎ならでは。
演奏者たちの位置についてはもちろん、長屋の部屋を表現する手法が秀逸。PARCO劇場のこじまりさを逆手にとったような、狭〜い部屋が楽しい。
ブレヒト幕(って言うらしい。舞台を横切るように渡したワイヤに布を通したり、掛けたりしたもの。ブレヒトが好んで使ったとされる演出幕。byパンフ)の使い方もなるほど〜だし。定式幕には、やられた。

役者たち全員に見せ場があるのが、三谷幸喜らしいところ。主人公の中山安兵衛に絡む長屋の面々がそれぞれ、安兵衛とのいきさつを再現する場面は、特にそう感じられるけれど、ちょっと単調で長いと感じてしまったのだった。これから変わっていくのかな。

染五郎二役、勘太郎二役、亀治郎三役とあって、早替わりも見どころ。
歌舞伎はそれなりに観ているけれど、イリュージョン!って思うくらいに鮮やかで、驚くこともしばしば。

染五郎は、こういう芝居だと色気があって華があって、素敵〜。着物の裾から見える足がちょうどよく色っぽいんだよな。
亀治郎が、歌舞伎味を出す役回りなのかなぁ、と思ってみていたんだけど、どうなんだろうか。パンフには「三谷さんが僕に求めているものが笑いなのか、シリアスなのか、笑いの中のピリッとした締めなのか、その辺が現段階ではつかみきれていないので、手探り状態」と書かれている。堀部ホリと中津川祐範については、その切れっぷりが素晴らしかった。でも、小野寺右京の役は、とても難しい立ち位置だと思う。これからどんどん変わっていくような気がする。
さわやか真っすぐな勘太郎はじめ、萬次郎、高麗蔵、宗之助、橘太郎の長屋の面々は、さすがの安定感。特に、おウメ役の萬次郎は、こんなに目立っているのをみるのは初めてかも。おいしい婆っぷりだった。

安兵衛が走る道筋は悲劇でもあるんだけれど、歌舞伎的省略で見せ場を作りつつ、走り抜けてしまう。卑怯なくらいに格好良い幕切れが素晴らしかった。

PARCO劇場にて(公演情報

作/演出:三谷幸喜
補綴:今井豊茂
美術:堀尾幸男
照明:服部基
出演:市川染五郎、市川亀治郎、中村勘太郎、市川高麗蔵、澤村宗之助、松本錦吾、市村萬次郎、坂東橘太郎

« PARCO歌舞伎、当日券ゲット〜! | トップページ | 『エレンディラ』のチラシ »

コメント

いわいさん、当日券ゲットまでの道のり、読ませていただきました(笑)。
大変でしたねぇ。でも、無事に見られてヨカッタ、ヨカッタ! お疲れ様でした。

さて、いわいさんの感想にほぼ同感です。
まさしく「イリュージョン」って感じの舞台でした。
役者全員に見せ場を作ってあげているのも、三谷さんならではですよね。
その結果、いわいさんのおっしゃる通り、
長屋住人のエピソードは、やや冗長になってしまった感はあります。
まあでも、ふだんの歌舞伎座では絶対に見られないであろう、楽しい仕掛けと役者たちの弾けっぷりに大満足でした(笑)。

ゆっこさん、コメントありがとうございます。
半ばあきらめていたのですが、トライしてみて良かったです。

この芝居は、PARCO劇場サイズの小屋でしかみられないないものでしたよね。
廻り舞台の使い方とか、狭さを活かしているというか、なんというか。
ブレヒト幕なんて、歌舞伎座でやったら大変だろうし。
こういう手があったのか、と楽しみました。
みられて本当に良かったです。

先にコメントを頂いてありがとうございました^^
当日券が取れたなんて、スゴイですね!!!
私はみるもの全てが「初めて」だったので、非常に新鮮でしたし、楽しめました^^
違う演目でも観てみたいです!WOWOWでもう一度観ます!

サトウノリコさん、コメントありがとうございます♪
初歌舞伎が、とても楽しめたのは良かったですね。
PARCO劇場は、それほど大きくなくて、舞台と客席が近い小屋だから、
役者の熱気がそのまま伝わってきました。
歌舞伎と一口に言っても、本当にいろいろなタイプの芝居があります。
次に出会う歌舞伎も楽しいと良いですね。

こんにちは♪
ココログさんへなかなかTBできないのでコメントだけでもお邪魔いたします。
WOWOWで放送された生中継の録画を見ることが出来ました!
素晴らしい舞台でしたよね~。
メイン3人はどなたも良かったのですが、やはり亀ちゃんの芸達者ぶりはサイコーでした。
スタンディングオベーションも起こっていたようで、観客はみな満足、役者さんたちも晴れ晴れしたお顔が印象的でした。

ミチさん、こんにちは。
ご覧になったのですね♪
流れに身を任せて楽しむことができる気持ちよい芝居でしたよね。
亀治郎のおかげで、舞台が引き締まったと思っています。彼の活躍は、最近目覚ましいですね。
これは、PARCO劇場ならではの歌舞伎だったと思います。狭いからチケット取るのが大変なのですが、あの小屋だからこそこういう芝居ができるわけだし、そのあたりが難しいところです。

録画で、やっと見ることができました。
長唄、太夫さんの声、三味の音のファンとしては、あれれ、ってな感じでしたが、芝居はおもしろかったですね。

悠さん、こんばんは。
TVで見ても、音は今イチでしたか。
そうなんです。マイクを通した音が、今ひとつだったんですよ。音響に問題があったのかもしれませんが、それがとても不満でした。
芝居は、とても良かったのに残念です。次回以降があれば、改善していただきたいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137003/9022485

この記事へのトラックバック一覧です: PARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』:

» 決闘!高田馬場 [ライターへの道。女32歳の挑戦。]
         決闘!高田馬場(2006年、PARCO劇場) http://www.parco-play.com/web/play/kabuki/main.html 演出・脚本:三谷幸喜 出演:市川染五郎、市川亀治郎、中村勘太郎、市川高麗蔵、松本錦吾、澤村宗之助、    市川萬次郎、他          待... [続きを読む]

« PARCO歌舞伎、当日券ゲット〜! | トップページ | 『エレンディラ』のチラシ »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

最近のトラックバック

つぶやき


2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

天気ブログパーツ