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『二月大歌舞伎』昼の部

今月は、お目当てがないので楽に鑑賞できる月。

一、「春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)」
正月七日。長唄の歌詞に七草が詠み込まれている舞踊。
今月は2月だから旧正月ということか!?
曽我兄弟、兄の十郎を橋之助、弟の五郎を歌昇。年齢のバランスが微妙〜。しかも、橋之助はニンではないと思うんだけど。
静御前:芝雀/ 曽我十郎:橋之助/ 曽我五郎:歌昇

二、「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」陣門・組打
宝暦元年(1751)に、人形浄瑠璃として初演された「一谷嫩軍記」の二段目前半だそう。三段目の「熊谷陣屋」は何回も観ているが、これは初めて観る演目。

平家物語で有名な、平敦盛と熊谷直実の物語。
“敦盛は助けられていて、殺されたのは直実の息子である熊谷小次郎直家だったことがわかる”というのが、「熊谷陣屋」のあらすじ。

「陣門」では、平敦盛と小次郎直家がすり替えられ、「組打」では、熊谷直実が息子の小次郎を打つ、という話しだと思っていた。
しかし、よくわからないのだった。
「陣門」はまだよい。小次郎を演じる福助が敵陣に攻め込み、直実が小次郎を抱えて戻ってくる。花道で顔を出した小次郎は、福助ではなくて芝のぶだから、すり替えたんだと思える。その後に、平敦盛が白馬に跨がって颯爽と登場すると、これが福助。あまりにも堂々としているし、配役でも2役ということになっているから、「まだすり替わっていないの????」と、不安になる。
そして、「組打」。どうみたって、直実が戦っているのは敦盛。しかも、誰も見ていないからといって、助けようとしたりする。
確かに、敦盛を助けようとする気持ちが強すぎるのが不自然なので、父親のハラなんだと思うけれど、それを裏付けるセリフや状況説明がほとんどないので、ただ単に情が深〜い武将に見えてしまう。敦盛の恋人玉織姫に敦盛の首を見せるのをためらうところで、一応、すり替えていると知れるけれど、それでは説明が足りないのではないだろうか。
チラシに書いてある、遠見の子役も、3階からは見えなかったのか、それとも使っていないのか、よくわからなかった。
かなり、疑問の残る芝居だった。
熊谷直実:幸四郎/ 玉織姫:芝雀/ 平山武者所:錦吾/ 熊谷小次郎・無官太夫敦盛:福助

三、お染久松「浮塒鷗(うきねのともどり)」
病気療養で1月を休演した芝翫が復活。お元気そうでなによりでした。
しかし、お染と久松は心中を決意した恋人同士には見えないし、女猿曵からも2人に意見するような情を感じられない。サラサラとした清元舞踊だった。
女猿曵:芝翫/ お染:菊之助/ 久松:橋之助

四、極付「幡随長兵衛」
江戸の村山座で「公平法問諍」を上演中に、酔客が乱入。そこへ、町奴の幡随院長兵衛が、颯爽と登場して場を収める。暴れた客は、旗本奴水野十郎左衛門の家臣だった。
吉右衛門が立派な長兵衛で、客席からの登場に場内は大盛り上がり。
そして、対する旗本奴、水野十郎左衛門は菊五郎。暗〜い。
恨みを抱いた水野が、長兵衛を屋敷に呼び出してだまし討ちにする、という話しはいつ観ても後味が悪い。
劇中劇の公平役、團蔵が面白くて、「公平法問諍」の場面がとても楽しかった。
幡随院長兵衛:吉右衛門/ 女房お時:玉三郎/ 近藤登之助:歌六/ 坂田公平:團蔵/ 伊予守頼義:亀寿/ 長兵衛倅長松:宗生/ 唐犬権兵衛:段四郎/ 水野十郎左衛門:菊五郎

歌舞伎座(公演情報

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