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『秘密のかけら』

濃厚な人間関係に溺れて、息苦しいほど。
真実はどこにある?

himitsu1957年のハリウッド。ラニーとヴィンスのデュオは、人気と名声、富と成功を手に入れていた。ある日、彼らが宿泊する予定のスウィートルームで、美女モーリーンの全裸死体が発見された。このスキャンダルは、闇に葬られ、彼らのコンビは解散。
1972年、野心的な女性ジャーナリスト、カレンは、その事件を取材することになる。モーリーンを殺したのは誰なのか?彼らが解散したのはなぜなのか?

50年代の華やかなショウビズ界と、70年代の退廃的でサイケな雰囲気。
ふたつの時代を行き交いながら、カレンと一緒に迷宮に迷い込んでしまいそうな気分。
保育園で演じられる“不思議の国のアリス”(これもちょっとヤバい雰囲気だけど)。慰問した歌手がアリスのコスプレをして、「ホワイト・ラビット」(ジェファーソン・エアプレイン)を歌うのがとっても退廃的で、かなりヤバい。アリスには、サイケなトリップ感覚があるということを実感。

陽気でちょっと下品なアメリカ人ラニーとスマートでちょっと女々しい一方で凶暴さも秘めた英国人ヴィンスのコンビ。ヴィンスを英国人にしたのは、原作からの変更点だそう。コリン・ファースの英国人っぽさをにじませる演技が素晴らしい。
ラニーがヴィンスを拒絶した時の、ヴィンスの微妙な表情も見逃せない。

カレンは危うい。童顔のアリソン・ローマンから漂うロリータな香り。
少女時代も彼女が演じていて、なんともいえないビザール感。
彼女が求めているのは真実なのか、愛なのか。

ラニーとヴィンスの過去と現在、モーリーンとカレンの人生が複雑に交錯するなかで、浮かび上がってくる真実。

ねっとりとした映像もいつもながら素晴しく、ゴージャスな美術を堪能した。

シャンテシネにて(公式サイト

監督/脚本:アトム・エゴヤン
原作:ルパート・ホルムズ
撮影:ポール・サロッシー
出演:ケヴィン・ベーコン、コリン・ファース、アリソン・ローマン、レイチェル・ブランチャード、デヴィッド・ヘイマン、モーリー・チェイキン、ソニヤ・ベネット

Where the Truth Lies  2005  カナダ=イギリス=アメリカ

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コメント

こうも艶かしくゴージャスに70年代を表現して、
加えて構成も相変わらず複雑ながら上手く、
エゴヤンは僕も追いかけていきたい一人です。
しかし不思議な国のアリスがサイケポップだったとは…
考えてみたら確かにそうだなぁと、
アリスを再発見しました。

現象さん、こんにちは♪
「不思議の国のアリス」って、いろいろとあやういイメージがありますが、
今回、「ホワイト・ラビット」の歌詞を知って、更にあやしいと思いました。
英語で読みたいと思って、ペイパーバック版を買ってあるんですが、
なかなか手に取るのに躊躇してしまいます。

こんにちは。TBありがとうございました。
良くも悪くも映像はかなりインパクトを与えています。その裏にひしめくどろどろした欲望等を随分と退廃的に見せていますね。
ファンならずともコリン&ケヴィンの魅力は感じましたわ。
原作はかなり違っているようですね。ぜひ読んだら感想をお聞かせください!
今後ともどうぞよろしく。

トリップ感覚ありましたよねー。
アリスというモチーフは私も大好きなのでショッキングでもあり。
リンチ作品くらいでしかお目にかかれないレベルのアヤしさでした。

TB&コメントありがとうございました。

観終わった後、観に来てよかったと思いました。
以外と評価が低いみたいですが、確かに重厚感
があって面白かったです。
原作もあるのですね。読んでみよっと。

charlotteさん、こんにちは♪
こういう退廃的な雰囲気って、好きなんです。
朝一の回を観たんですが、夜の雰囲気の映画ですよね。
2人の結びつきが心に残りました。
こちらこそ、よろしくお願いします。

かえるさん、こんにちは♪
アリスって、ロリータを象徴していたりして、妖しいものではありますよね。
この映画はロリータではないけれど、アリソン・ローマンは童顔でロリっぽかったです。
そういえば最近、リンチ作品を観ていないような気がします。
映画撮っているんでしょうか?

Mr.Ericさん、こんにちは♪
評価低いんですか。う〜ん、そうなんですか。
でも、わたしは好きです。
話しとしては単純かもしれないものを妖しい映画にしてしまう監督の手腕が素晴らしいと思います。

いわいさん、こんにちわ!
TB&コメントありがとうございます。
「不思議の国のアリス」といったらディズニーアニメというイメージで大きくなっちゃったので。この作品での「アリス」の使い方にはちょっぴり衝撃を受けましたぁ。
原作もあったのですね、覚えておきます。

こんばんわ!『カリスマ映画論』管理人の睦月です!TB&コメントありがとうございました!いつもお世話になっております。
いやいや、ホントに不思議な世界観でした。レズシーンなんかは特になまめかしく、それをじっと見ているコリンのまなざしが印象深かったです。

隣の評論家さん、こんにちは♪
「不思議の国のアリス」なら、わたしは断然ジョン・テニエルの絵です。
わたしがペイパーバック版を買ったのは、原作ではなくて
「Alice 's Adventures in Wonderland」です〜。(当然、ジョン・テニエル挿絵)
って、映画の話しじゃありませんでしたね。
エゴヤン作品の濃厚な映像を堪能しました〜。

睦月さん、こんにちは♪
コリン・ファースのまなざしは、印象深かったですよね。
いろいろと想像しちゃいました〜。
エロティックなシーンも含めて、大人な映画だったと思います。

ドモドモー♪
ワタシも朝一で観たのですが、そうですね、、
この映画は夜(なるべく夜遅く)観るのが合ってますね。笑

それから、、ヴィンスの役を
英国人のコリン・ファースにしたのは正解でしたね!
ラニーを見つめる何とも切ない眼差しと
アリスとカレンの絡みを見る冷えた目つきが
ぞくぞくする位に良かったでした。

Puffさん、こんにちは♪
大人の映画ってことで、R-18なんでしょうか?
別に見せたってわかりはしないと思いますけれどね。

英語耳が良いわけではありませんでしたが、
コリン・ファースのイギリスっぽい話し方も、良かったです。
いわゆる英国人っぽさって、あるんでしょうね。

いわいさん、こんにちは。TB&コメントありがとうございました♪
私もラニーに拒絶されたヴィンスの表情が心に残っています。ラニーの必死の形相も印象的でした。
ふたりのただならぬ愛と、妖しさと、切なさ…いい映画でしたね!

いわいさん、こんにちは!
TB、今回もうまく行かず、でありました。うーん、なぜだろう・・・。
で、この映画なのですが、エゴヤン監督好きなので、この映画も満足でした。
大した話ではなかったような気がするのですが、構成を複雑に、そして思わせぶりにしたことによって、すごく魅力的な作品に仕上がった気がします。
だけど、幼稚園で「ホワイト・ラビット」を歌うのって何かすごいですよね(笑)。

いわいさん
はじめまして。kenさんちから飛んでまいりました。
コリン・ファースを観たくて行ったのですが、
この作品の艶っぽい迷宮にすっかり取り込まれました。
仰るように、拒まれた時の、ヴィンスの表情がよかったです。

案外、酷評も聞くのですが、わたしはこの作品の世界が好きでした。

chatelaine さん、こんにちは♪
1人を英国人に変えたのが、とても効いていましたよね。
コリン・ファースというキャスティングが良かったということですけれど。
妖しさと切なさ、まさに!とても好きな映画でした。

Kenさん、こんにちは♪
トラックバックできないのは、相性なのでしょうか。残念です〜。
構成が複雑なのは、エゴヤン映画の魅力ですよね。
めくるめくマジックに酔いました。
妖しい雰囲気も堪能して、満足です。

悠雅さん、初めまして〜♪
そうですか、酷評もあるのですね。
わたしは、重層的な構造とか、妖しい雰囲気とか、エゴヤン監督に期待している
要素を堪能できたので、とても満足できました。
コリン・ファースの、英国人らしい佇まいも素晴らしかったと思います。

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