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『ラッシュライフ』

金で何でも買えると思っている画廊オーナと一緒に仙台へ向かう新人女性画家。美学を持つ泥棒。ある男を“神”のように崇める若者。不倫相手との再婚を企む女性カウンセラー。リストラされて家族にも見捨てられ、職探しに疲れ果てた男。
それぞれの人生がそれぞれの視点で語られて、最後には交錯していることがわかる。

ちょっとずつ感じていた引っかかりが伏線となって、徐々に明らかになっていく展開がお見事。
気になって前のページに戻り、「なるほどぉ」と思うこともしばしば。
登場人物それぞれのキャラも立っている。この作者の書くイヤな奴って、本当にイヤだと思えるところが、スゴい。
重要な登場人物(?)である野良犬の描写もマル。

こういう手法の作品って、読み終わった後の爽快感があるのが良い。
もう一度読み返して、確かめたくなってしまうような構成。
確かに、エッシャーの騙し絵のような。。

昨年観た『運命じゃない人』という映画を思い出す。
この映画のほうが、各エピソードの焦点が絞られていたけれど、観賞後の爽快感は同じ。
観た後のロビーで、「アレは気づいた」とか「アレがアレだったのか」とか楽しそうに語り合っている人々を見かけたもの。

伊坂幸太郎作 新潮文庫

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» 「ラッシュライフ」伊坂幸太郎 / 「悪者」が書けない作家による、犯罪絡みの群像劇 [辻斬り書評 ]
伊坂幸太郎を読むのはこれで2冊目。 それぞれ独立したストーリーが仙台を舞台にして交錯しあう、群像小説だ。 金の力で生き抜いてきた大物画商に従わされた若手画家、どこか達観したところのある一匹狼の空き巣、父親の自殺をきっかけに新興宗教に入れ込んでしまった... [続きを読む]

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