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『壽 初春大歌舞伎』昼の部

jan-kabukiza今年の初芝居は、歌舞伎座の昼夜通し。
かなり無謀だとは思ったが、今月は歌舞伎だけでも4公演。
観劇スケジュールも厳しいのだった。

「中村鴈治郎改め 坂田藤十郎襲名披露」とあって、外には蜷川実花撮影の看板がドーン!おめでたさもひとしおといったところ。

kabukiza-lobby正月なので、歌舞伎座のロビーも華やか。
初芝居の気分も盛り上がる.

「鶴寿千歳」
箏曲による舞踊。琴の音色がとてもお正月っぽいと思うのは、巷で流れるお正月音楽(ほとんど「春の海」だろうけど)がそうだからだよね。
とても美しい曲だった。そして、雄鶴と雌鶴のおめでたい舞。

雄鶴:梅玉/雌鶴:時蔵

「夕霧名残の正月 由縁の月」
傾城夕霧の死を悲しむ伊左衛門の前に夕霧の亡霊が現れ、しばしの逢瀬の後、姿を消す、という一幕。

新藤十郎が演じる藤屋伊左衛門、本物の紙衣を着て登場する。確かに、紙衣風の着物とは風合いが違って、ゴワゴワしたかんじがよくわかる。色がとてもキレイ。
雀右衛門が とてもはかなげで美しい夕霧。
伊左衛門が夕霧を思って泣いている時に、突然、おめでたく口上となった。
扇屋夫妻の我當、秀太郎と、新藤十郎の三人。
そして、芝居に戻ることなく、平伏したまま幕。確かに、そのほうが収まりが良いと思われる。

藤屋伊左衛門:鴈治郎改め藤十郎/扇屋三郎兵衛:我當/太鼓持鶴七:進之助/扇屋女房おふさ:秀太郎/扇屋夕霧:雀右衛門


「奥州安達原 環宮明御殿の場」
以前にみたはずだが、配役等の詳細を覚えていないのでほとんど初めてといってよい。ちょっと分かりにくいけど、見応えのある芝居だった。

浪人と密通して勘当された娘・袖萩(福助)は、親の難儀を耳にして、娘とともに駆けつける。しかし、父親・直方(段四郎)は、娘との対面を許さない。
木戸の外で、祭文を語るのが前半の山場。福助が実際に三味線を弾いて唄っている。
盲目の袖萩をいたわる娘はなかなかの大役。演じた子役の見事な演技には泣かされてしまった。先月の重の井で、いやじゃ姫を演じた子供ではないかと。(筋書未購入のため、不確定)
直方が切腹し、木戸の外では袖萩も自害するという凄惨な展開。
袖萩の不義密通の相手はが反逆人安倍貞任であったということがわかり、更に、勅使桂中納言教氏が実は貞任であったことが発覚する。
後半は、 ここ、勅使が安倍貞任だったとわかるところが山場。
ここの展開が、よくわからなかったのだ。しかし、さすが、吉右衛門がみせてくれる。ブッ返るところがとても大きいので、衣装の変化が映えるし、赤旗を使った見栄にも、観客が引き込まれていた。
隈取りもとてもよく似合っていて、格好良くみえた。

安倍貞任:吉右衛門/袖萩:福助/八幡太郎義家:染五郎/浜夕:吉之丞/安倍宗任:歌昇/平傔杖直方:段四郎
(「安倍」を「阿部」と誤記していましたので、修正しました。1/8)

「花競四季寿 万才」
新年に初春を寿ぐ踊りみせる万才。義太夫舞踊を、福助と扇雀が踊る義太夫舞踊。
おめでたいし、暗く重めの芝居の合間にみせるのには良いと思う。

万才:福助/万才:扇雀

「曽根崎心中」
天満屋の遊女お初と、平野屋の手代は将来を約束する深い仲。しかし、平野屋の主人である叔父からの縁談を断って大阪にいられなり、更に、叔父に返さなければならない2貫目の金を、友人だと思っていた油屋九平二に騙りとられた徳兵衛。
二人は心中を決意し、曽根崎の森で心中をするのだった。

お初は、新藤十郎が扇雀を名乗っていた時代から1200回以上演じてきた当たり役。話しも分かりやすくて、とてもこなれたかんじがする。
縁談を断ったから大阪にいられなくなったいう徳兵衛に、「そんなら一緒に死にましょ」というお初。男をリードするお初という女が、とても鮮烈だ。
そして、心中にいたる道筋に迷いがない。

天満屋の縁下に隠れた徳兵衛が、縁側に腰掛けているお初の足に自分の首をあてて死ぬ覚悟を伝える場面は有名だが、ここはかなり色っぽくて濃厚。印象に残る名場面。
そして、幕切れは、美しい心中となる。(実際には死ぬ前に幕がおりる)
鴈治郎は苦手だったが、この「曽根崎心中」はとても面白くみることができた。
近松門左衛門作。

天満屋お初:鴈治郎改め藤十郎/平野屋徳兵衛:翫雀/油屋九平次:橋之助/天満屋惣兵衛/平野屋久右衛門:我當

終演時間は予定を10分ほど超えて、16時25分だった。
5演目たっぷりなのは、サービスだとは思うが少々疲れる。
重めの芝居の間におめでたい舞踊をいれるプログラムの意図はわかるけれども、昼と夜の間が忙しいし、もうちょっと考えるべきだと思う。

続けて、夜の部。
 

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コメント

いわいさん、こんにちは。今年もどうぞよろしく。
今月の観劇スケジュールは厳しいですよね。昼夜通しも確かに体力的にはきついので、くれぐれもお大事に。ちなみに、9日昼はほぼ予定通りの終演でした。
襲名幕は南座の方が更にシンプルで、今回は山鉾巡行が描かれていますが、これは江戸のご見物に京都をイメージさせるサービスかも。

ShyBoarさん、こんにちは。今年もよろしくお願いします。
歌舞伎座の襲名幕よりも、南座のほうがシンプルだったんですね。
同じものかと思っていました。
今月は、歌舞伎公演が多くてうれしい悲鳴をあげています。
お互い体に気をつけて、乗り切りましょう。

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