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『ある子供』

ドキュメンタリィのように淡々と映される物語に引込まれる。

lenfantふたりの子供が親になった。
20歳のブリュノは、どうしようもないチンピラだ。盗みをして暮らしをしている。
18歳のソニアは母親となり、先に大人になった。
子供を抱かせたり、洗礼名を決めさせたり、ソニアはブリュノを父親として扱うけれど、ブリュノには自覚がない。
そんなブリュノに気づいているのかいないのか。ふたりの世界は、幸せなようにみえるけれども、あまりにも危うい。
そして、ブリュノは子供を売ってしまう。

ブリュノに対してソニアが取った行動。
ブリュノは、過ちに気づいたのか…

このラストを全く予想していなかったので、本当に驚いた。
彼らの未来に、わずかでも希望の光が射し込んだのだと思いたい。

刹那的で無軌道、何よりも無感動なブリュノのリアリティ。
ダルデンヌ兄弟は、「“演技”ではなく“動き”を入念にリハーサルし、撮影では何度もテイクを繰り返す」ことにより、自然なものを作っているそうだ。
エンドクレジットで、ジミー役を演じた名前の羅列に驚いたが、21人もいたらしい。

熟練の技を堪能できる95分。

恵比寿ガーデンシネマにて(公式サイト

監督/脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、オリヴィエ・グルメ

L'ENFANT  2005  ベルギー=フランス

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コメント

真相は分かりませんが、
ラストで希望の光がさしたと思いたいですね。
作品の周期も2,3年に1本のペースながら、
着実というかコンスタントに撮っていて、
兄弟の質実剛健なスタイルがうかがえます。
一貫したスタイルは崩すことなく、
今後も新作を見逃さずに体感しようと思っています。

現象さん、コメントとトラックバックありがとうございます♪
なんとなくバタバタしている間に みるべき映画がのきなみ上映終了になりそうになってしまって、あわてて消化しているところです。
この兄弟の作品は、『息子のまなざし』に続いて2本目です。
見逃してはならない作品でした。以前の作品もみたいと思っています。

いわいさん、こんにちは!
今回はTBうまくゆきました!

>「“演技”ではなく“動き”を入念にリハーサルし、撮影では何度もテイクを繰り返す」
この映画、ドキュメンタリーのような印象の映像なのに丁寧さ、洗練味を感じたのですが、こういう製作過程があったからこそなのかもしれませんね。

ラスト・シーン、決して派手ではないのにこの感動、持っていかれました。

Kenさん、こんにちは♪
確かに、丁寧で洗練されていますよね。
傍観者のようでありながら、突き放しているわけでもない、
その距離感に押し付けがましさがないのが、ステキです。

ドモドモー♪
唐突に終わるラストがまた良かったですよね!
ワタシもあのラストは想像していなかったので
不意をつかれて、返って心にずしん・・・と残るものがありました。

そうそう、エンドロールでジミーの名前が
たくさんたくさん記載されてましたね。
赤ちゃんは大人みたいに延々と出れないですものね。
赤ちゃんの名前もしっかりクレジットしてくれるのに感心しました。
(・・・安っぽいドラマだと人形にしそうですよね・笑)

Puffさん、こんばんは〜♪
ラストをどう収集つけるんだろうと思っていたら、
唐突に終わって、そこがまた良かったです〜。
そして、これしかないよね!って気持ちにさせられました。

ジミーは帽子を被っていて、顔を少ししか見せていませんでしたけど、
同じ子供だと思ってました。
そういえば、赤ちゃんの名前をクレジットするのって、珍しいかも?

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