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『壽 初春大歌舞伎』夜の部

昼の部終了から10分ほどで、夜の部開場。

「藤十郎の恋」
初代藤十郎が主人公のバックステージもの。
近松門左衛門が坂田藤十郎のために書いた新作は、人妻と関係する密夫を描いた姦通物。役作りに悩む藤十郎は、偽りの恋を人妻にしかけるが、という話。

藤十郎の芸にかける執念が見どころだが、演じる扇雀からはそれほどの悩みなのかがよく伝わってこない。ラストに、舞台へ向かっていく時の気迫はなかなかだったと思うが、全体的に薄いかんじ。
恋を仕掛けられる人妻お梶の時蔵からは、揺れ動く女心が伝わってきた。ラストの悲劇に向かう気持ちも納得できる。こういう役はとてもあっていると思う。
流れもわかりやすく、面白い芝居だったと思う。他の役者でも観てみたい。でも、山城屋が誕生したので、他の家の役者が演じることはなくなってしまうのかな。
菊池寛作。

坂田藤十郎:扇雀/若太夫:歌六/宗清女房お梶:時蔵


tojuro-maku「口上」
金ぴかでド派手だと評判のふすま絵だったので期待しすぎたせいか、驚かなかった。素直に、華やかで良いのではと思った。襲名幕はお上品なかんじ。
雀右衛門が声も大きくはっきり話しているのに安心。
人間国宝が更に襲名とあって、なかなか突っ込める人もいないと思われる。
突っ込んでいるのは、息子たちだけだったかも。
虎之介くんのほうが、新藤十郎よりも拍手多かった?

「伽羅先代萩 御殿/床下」
お家乗っ取りの企みのため命を狙われている若君鶴千代をたった一人で守る乳人政岡の忠信を描いている。
そして、政岡の息子千松は、若君の遊び相手であり毒味役。この役を、新藤十郎の孫・中村虎之介が初舞台で演じる。
“飯炊き”の場面は、お腹が空いてたまらない千松と鶴千代のけなげさを子役2人とも上手に演じている。政岡も情たっぷりで、3人の絆が泣かせる。
そして、後半。毒入りの菓子を食べて苦しんだ末、八汐(梅玉)になぶり殺しにあう千松。これをみても、政岡が若君大事で顔色を変えないというところが見せ場だが、新藤十郎は既に泣いている。(赤い涙のスジがみえる)
これだと、千松の遺体と二人きりになった後の嘆きが薄くなってしまうし、栄御前も騙されないと思うんだけど。でも、栄御前の秀太郎は、政岡をそれほどじっくり観察していないようにみえるので、どっちもどっちかな。
八汐の梅玉は、何だかそれほど憎々しくなく冷酷な恐ろしさといったところ。
もう少し、大げさに演じてもよいのではと思ってしまう。

乳人政岡:鴈治郎改め藤十郎/栄御前:秀太郎/松島:扇雀/千松:虎之介/澄の江:壱太郎/沖の井:魁春/八汐:梅玉

続く、床下。幸四郎と吉右衛門兄弟の共演は初めて観るかも。
荒獅子男之助は、バカバカしくてでっかい役。吉右衛門は、ちょっと暗い気もするが、声も良いし姿も大きいので、バカバカしく決めてくれる。
仁木弾正は、不気味な凄みのある役。幸四郎は不敵な笑いが不気味で、さすがの気持ち悪さ。三階からだったので、引っ込みが最後まで観られなかったけど、久々にステキだと思いました。

仁木弾正:幸四郎/荒獅子男之助:吉右衛門

昼の部からたっぷりな演目。
がんばって観ていたけど、体調が悪化したので、申し訳ないけれどもここまでで 帰らせていただきました。
初芝居早々、もったいないことをしてしまった。反省。

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