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『Jの悲劇』

enduringブッカー賞作家イアン・マキューアンの原作「愛の続き」を映画化している。
もともとはハリウッドのメジャースタジオが映画化権を取得していたが、期限切れによりロジャー・ミッチェル監督が権利を獲得。ミッチェル監督は原作者と映画化へのアプローチを話し合ったらしい。

冒頭からスリリングだ。郊外の草原でピクニックを楽しむジョーとクレアの前に突然現れる真っ赤な気球。操縦不能となった気球に乗っている子供を助けようと人々が集まる。そして、結局一人が墜落死してしまうのだ。
緊迫のカメラワーク、突風が吹く直前の静寂、気球にあたる風の音などが緊張感を盛り上げる。草原の鮮やかな緑、気球の禍々しい血のような赤、そして澄み渡った空の青、とても美しいコントラストも恐ろしい。

この事故の時に、ジョーはジェッドという男と出会ってしまう。

事故に対する罪悪感に悩まされるジョーに付きまとうジェッド。だんだん壊れていくジョーのことを、恋人のクレアは理解できない。

“愛”を信じられなくなっていくジョーとクレア。そして、“愛”を押し付けてくるジェッド。狂っているのは誰なのかわからなくなってくる。
息苦しいサスペンス。

スマートで知的なジョーは、「007」の6代目ジェームズ・ボンドに決まったダニエル・クレイグ。セクシィで知的なジェームズ・ボンドになりそう。楽しみ。
恋人のクレアは、ベビィフェイスでちょっとコケティッシュなサマンサ・モートン。愛を疑う震えが伝わってきた。
ジェッドは、リス・エヴァンス。いっちゃった目がホントにこわい。

ねっとりした色の映像も美しかったが、音楽も格好良く、不安感を煽ってて気に入った。

愛する人を信じるということの難しさを感じた映画。

シャンテ シネにて。(公式サイト

監督:ロジャー・ミッチェル
原作/アソシエイト・プロデューサ:イアン・マキューアン「愛の続き」
脚色:ジョー・ペンホール
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
音楽:ジェレミー・サムズ
出演:ダニエル・クレイグ、サマンサ・モートン、リス・エバンス、ビル・ナイ、スーザン・リンチ

Enduring Love  2004  イギリス

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コメント

こんにちは♪
こちらにもTB、コメントをありがとうです。

ホント、恐ろしい映画でしたねー・・・
確かに「息苦しいサスペンス」という言葉がピッタリです!
何度も何度も言っても分かって貰えない・・・
彼女にも自分の気持ちが理解して貰えない。
八方塞がりの彼の気持ちが凄くk伝わって来ました。

>愛する人を信じるということの難しさを感じた映画
ワタシもそう思います!!
一方通行の押し付ける愛ほど怖いものはありませんね。
そして、理解して貰えない愛も哀しいです。

ストーカー行為が前面に出ていますが、これは愛についての物語ですよね。暴走し、逸脱する愛、怖かったー!

Puffさん、こんにちは。
いろいろな“愛”が提示されていました。
原作も気になっているので、多分読むことになると思います。

あんさん、こんにちは。
”愛”にも恐ろしいものがあるってことが深ーく描かれていたと思います。
ストーカって、本当にコワいと思いました。

早速のコメント有り難う御座いました。こちらこそこれからもよろしくね。

お久しぶりです、重花丁子です。
映画を観るつもりで原作を読んだのに、肝心の映画をすっかり忘れていました(笑)。こちらを拝見して思い出しましたので、さっそく来週あたり行って来ようかと。ありがとうございました〜。

重花丁子さん、こんにちは〜。
お役に立てて何よりです。
原作からの変更点もけっこうあるらしいですが、原作者もアソシエイト・プロデューサとしてクレジットされているので、納得の上なんでしょうね。
もう少し時間が経ってから原作を読もうと思っています。
映画の感想、お待ちしております♪

ようやく映画を観ましたので、TBさせていただきました。
原作を先に読んだのは失敗でした。もともとマキューアンは好きな作家なので、映画はちょっと物足りなかったです。何か普通のサイコ・サスペンスって感じで……。
映画→小説の順番にすればよかったかも。

重花丁子さん、こんにちは。
かなりリアリティのあるサイコ・サスペンス映画だと思っていたんですが、なるほど、小説は単なるサイコ・サスペンスではないんですね。
映画をみた後「原作は読まなくてもいっかなぁ」と思ったりもしたんですが、かなり違うらしいので、読むのが楽しみになりました。
トラックバックありがとうございました。

こんにちは!
映像化するのが特に難しい作品だったという事を考えると、いや~上手いなあ、と思ったりもすると思いますよ。
どのキャラクターも思い込みが激しくなるその様子が恐かったですね。
キスシーンも見たくなかったわぁ~…笑

こんにちは♪
監督は原作者と話し合いをしたんですか!
原作とはちょっと違うと聞いたのですが、原作者との歩み寄りはあったのでしょうね。
それにしてもなんて印象的なオープニングだったんでしょう!
クレアの彫刻も印象的でした。

charlotte さん、こんにちは♪
小説の映画化って、いろいろと難しいものがありますよね。
映像化自体に意味がある場合もあるし、サブストーリィみたいにしてしまったり、
いろいろとアプローチのやり方があって、興味深いです。
短編でない原作だと、ダイジェストなものになってしまいがちで失望しちゃうことも多いです。

キスシーンは、かなり長くて、音も生々しくて、気持ち悪かったですよねぇ。
ジョーの捨て身の攻撃でした。(にっこり)

ミチさん、こんにちは♪
あのオープニングがあるから、映画化した価値が上がっている気がします。
英国の風景が美しかったので、ハリウッドで映画化されなくて良かったと思っています。
クレアの職業も、原作と違うらしいです。
彫刻って、映像としてわかりやすいし、心変わりを代弁していて印象に残りました。

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