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『ドア・イン・ザ・フロア』

doorinthefloor冒頭から心を鷲掴みされてしまった。
こういう映画に出会いたかったんだと思える、わたしにとってほぼ完璧な映画。

児童文学作家のテッド、妻のマリアン、4歳の娘ルースが、静かに暮らしている。
その夏、夫妻は奇妙な別居生活を始め、作家志望のエディがテッドの助手として住み込むことになる。

ジョン・アーヴィングの最新ベストセラー小説「未亡人の一年」の前半部分を映画化。
ジョン・アーヴィングの小説はとても好きなんだけど、読んだ後にあまりにも感情を揺らされてしまうので、読むのに注意が必要だ。
この映画にも、同じ印象を受けた。

「ドア・イン・ザ・フロア」というのは、テッドが書いた絵本のタイトル。床の上のドアを開けると何か恐ろしいものがある。でも、そのドアを開けなければならない時もある。

「死ぬって壊れること?」と言って、冒頭にわたしの心を鷲掴みにしたルースのエル・ファニング(あの天才子役ダコタ・ファニングの妹。恐ろしき演技派姉妹!)を筆頭に、俳優たちの繊細な演技が素晴らしい。
淡々と過ぎていくようにみえる生活の中で浮き彫りにされていく哀しみ。

哀しみに満ちているのにどこかに明るさを感じることができるのは、映像の美しさによるところが大きい。ワイドスクリーンに、あまり動かないフレーム。そして、境界が曖昧になるギリギリの柔らかな光。映画館でみる幸せを感じる。
音楽のトーンもギリギリにおさえられていて、監督の繊細さが伝わってくる。
エンドクレジットも素晴らしい余韻。

喪失と再生の話しなんだろうけれど、そう単純なものではないとも思う。
とにかく、映画をみることの喜びをわたしに思い出させてくれる映画だった。

恵比寿ガーデンシネマにて。(公式サイト

監督/脚本:トッド・ウィリアムズ
原作:ジョン・アーヴィング「未亡人の一年」
出演:キム・ベイシンガー、ジェフ・ブリッジス、エル・ファニング、ジョン・フォスター

THE DOOR IN THE FLOOR  2004 アメリカ

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コメント

初めまして♪
Puffと申します。
よろしくお願い致します。

良い映画でしたねー・・・
ワタシは原作は未読なのですが
全てを詰め込まず、潔く前半部分のみにしたのも
良かったのかな、と思いました。
映像が素晴しかったですよね!
沈んだ空の色や空気はまるで彼女の心を表しているようでした。
ワタシもとても好きな作品です。

Puffさん、初めまして〜。
こちらこそよろしくお願いします。

どこが良かったのかよくわからないくらい好みだったんです。
何回も映画館で見直したい映画です。

初めまして。TBありがとうございます。
原作も、著者も全くしらないで出かけましたが、高名な作家の方だったのですね(汗)。キム・ベイシンガーが、好きなのと、少々変わった、難しいものを観てみたいと…。暗い映画ではあるのですが、明るい兆しも垣間見えて、本当に不思議な雰囲気を味わいました。

あかん隊さん、初めまして。
コメントとトラックバックをありがとうございました。
キム・ベイシンガー、ステキでしたよね。
映画のどこが良かったのか、これからじっくり考えたいと思っています。

おぉ!ほぼ完璧ですかー。
そうですね。小説を映画化した作品としては完璧に理想的ですー。
映像よかったですよねー。
撮影監督がいいのかなと思ったんだけど、『イン・ハー・シューズ』は普通にいい程度でした。
やっぱり監督のセンスなんだろうか?

かえるさん、こんにちは。
原作ありということはほぼ忘れておりました。(原作読んだら変わったりして。。)
「イン・ハー・シューズ」の撮影監督と一緒なんですか!
これは、会員になってるギンレイホールで上映する予定なので
それまで待ちなんです。
楽しみが増えましたわ。

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