« 光 はいりました | トップページ | なおった »

NODA・MAP『贋作・罪と罰』(2回目)

本日が、今年の観劇納め。クリスマスイブの渋谷は激コミだった。

tsumitobatsu初日にみた時にはあまりにも役者の演技に目を奪われてしまって、冷静に話しにはいりこむことができなかった気がする。

中央に菱形の舞台を設置して観客が四方から舞台をみる構造になっている。
前回は舞台奥に設定されたA列で前から5列目。本日は、舞台正面側のD列。前から2列目なのは良いのだけれど、前列と同じ高さなので見えない箇所が多々あった。それだけは残念。
当たり前だが、観る位置によって全然違う印象。

2回目のせいか、少しは物語の流れに身を委ねることができたと思う。結果、あまりの切なさにグッときて、涙が止まらなかった。特に、古田新太の素晴らしさに感動。大きな愛に泣けました。

シンプルな舞台に、めまぐるしく変わる場面。小物使いも危うくてハラハラ見守った前回と比べて、安心してみていられた。
主役の三条英役の松たか子は、本日も素晴らしかった。初めて現れた時から感じる覚悟といい、言葉と裏腹に壊れていく心といい、凛々しさのなかに秘められた狂気。
対する才谷梅太郎役の古田新太。彼のことをこんなに男前だと感じたことはなかったかも。いつもステキなんだけどね。つかみどころのない役どころを、懐の深い大きな男として演じていて惚れてしまう。

「罪と罰」の世界を幕末という動乱の時代に置き換えた舞台。
“理想に生きて思想に殺されるのは、バカらしい”という英。“思想なんてこれっぱかりのものじゃないか”という才谷に共感。

いろいろと気になるところはあるけれど、とにかく最後の雪のシーンが圧倒的なので全てが覆い隠されてしまう。冷静にみられる日はくるのかしら。

今一番気になるのは、溜水石右衛門の役どころ。前回もよくわからなかった。

Bunkamuraシアターコクーンにて。(公演情報

作    :ドストエフスキー「罪と罰」(翻訳:工藤精一郎/新潮文庫より)
脚本/演出:野田秀樹
美術   :堀尾幸男
照明   :小川幾雄
衣裳   :ひびのこずえ
選曲/効果:高都幸男
出演:松たか子、古田新太、段田安則、宇梶剛士、美波、野田秀樹、マギー、右近健一、小松和重、村岡希美、中村まこと、進藤健太郎

« 光 はいりました | トップページ | なおった »

コメント

コメント&TBどうもありがとうございました。
松たか子は「分裂したヒロイン」を熱演していましたね。
私は初演を見ていないのですが、
初演を見た友人たちは皆、
大竹さんより松たか子の方が、この役には合っていると言っていました。
大竹さんの場合、情が濃い分「女性」の部分が「男性」面よりも勝ってしまうけれど、
その点、松たか子は「中性的」なので、この役にはピッタリなんだとか。
そういえば、『セツアンの善人』もそんな役でしたね。
欲を言えば、前半はもうちょっと感情を抑えた方が
終盤の“叫び”がより痛切に響くんじゃないかと私は思いました。

古田さんは、いやもうお見事でしたね。
古田さんが演じたからこそ、あの役が魅力的で懐の大きい男に見えたんでしょうねぇ。
冷静に考えたら、かなりアクドイ嫌な奴ですもん(笑)。

最後の雪のシーンは本当に美しかったですね。
いつもの過剰な言葉遊びが今回は控えめで、
詩的で美しい台詞が多かったのも印象的でした。

ゆっこさん、こんにちは♪
10年も前のことなのでそれほどよく覚えているわけではないのですが、
でも、大竹しのぶの女塾生姿はちょっと生々しく“女”だったような気がします。

松たか子は、舞台上に現れた時からずっとテンションが張り切っていて、
その糸がいつ切れるのかを固唾を飲んで見守っていました。
罪を犯した時(犯そうと決心した時)から彼女の気持ちはずっと張りつめていて、そして、最後の最後でそれが緩む、と思っています。

いわいさん、はじめまして!
コメントどうもありがとうございました。

いわいさんはすでに3回見ていらっしゃるんですね。
私も今週末に2回目みてきます。
1回目が細かいことに気をとられて物語りにはいりきれなかったので、今回は心のままに見られるといいなぁって思ってます。

yukikaさん、こんにちは♪
今回は、かなりストレートな芝居だと思います。
そのせいか、とても心を動かされてしまい、
かえって冷静にみることができていません。

yukikaさんも、どっぷりとはまっちゃってください。

やっと録画でみることができました。一人で行為し一人で責任を負う英がよかったです。集団で熱に浮かされる運動の仲間、せつなのときめきを求める溜水(でも、最後なぜ、死ぬんでしょうね、これがわかりませんでした。少女に拒否されたから???)って感じですかね。
絶叫の台詞が、不思議な抒情をかもし出してました(^^ゞ

悠さん、こんにちは。
ご覧になりましたか。
この芝居は、英に対する評価がかなり分かれているみたいです。
初演(大竹しのぶの英)を見直したのですが、今回は運動の仲間との関わり方を変えているように思いました。
今回のほうが、英が独りで行動しているということを強調している気がします。
溜水の謎は、わかりませんでしたか。
これは、本当に謎ですよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137003/7813057

この記事へのトラックバック一覧です: NODA・MAP『贋作・罪と罰』(2回目):

» 「贋作・罪と罰」 [Peaceful Easy Feeling]
NODA MAP 第11回公演「贋作・罪と罰」 脚本・演出 :野田秀樹 Bunkamura シアターコクーン 19:00開演 1階C列14番   今年の観劇納め。実を言うと、どうしても見たいというわけではなかったのだが、e+(イープラス)のプレオーダーで運良く入手できたのと、一応初演を見ているので行くことにした。ところがこれが、大当たり。 劇場に入ると菱形の舞台で、周囲をスロープとステップで取り囲まれている。席は舞台奥の一番後ろだが意外と全体が見渡せる。長さ2mほどの蛍光管を仕込んだ台... [続きを読む]

» NODA・MAP「贋作・罪と罰」 [踊るOL。]
今年初の観劇は野田秀樹さん率いるNODA・MAPの舞台でした。 この作品は10年ほど前の作品の再演で、初演は大竹しのぶさんが主役。 今回の主演は松たか子さんでした。 共演者は、古田新太さん、段田安則さん、宇梶剛士さん、マギーさんなど。 もちろん野田さん本人も出演されてました。 場所はシアターコクーン。 舞台が中央にあり、客席が四方を囲んでいて、ものすごくシンプルな舞台装置でした。 ... [続きを読む]

» 野田地図第11回公演『贋作・罪と罰』 [まったりインドア系]
ヒロイン松たか子の終盤の台詞「理想に生きて、思想に殺される」。これが、この芝居を最も端的に表す印象的な言葉だったように思う。 物語はドストエフスキーの『罪と罰』を下敷きに、時代を日本の倒幕運動盛んだった頃、主人公の苦学生を江戸開成所の女塾生に置き換えて展開される。ヒロインは「倒幕」という大義名分の下、活動資金欲しさに高利貸しの老婆とその妹を殺害するのだが、その行為を正当化する理由が以下のようなものである。   ... [続きを読む]

» 舞台 野田MAP 「贋作・罪と罰」 [VSC Cafe]
☆あらすじ 時は幕末。幕府公認、江戸開成所の女塾生・三条英はある思想を持っていた。 「世の中には凡人と非凡人がいる。非凡人はその行動によって歴史に新しい時代をもたらす。 そして、それによって人類の幸福に貢献するのだから既成の道徳法律を踏み越える権利がある....... [続きを読む]

« 光 はいりました | トップページ | なおった »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

最近のトラックバック

つぶやき


2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

天気ブログパーツ