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『13』をよんだ

ベルカ、吠えないのか?』という作品が気になったんだけど、とりあえず文庫からということで購入。

冒頭の一文が、グッとくる。

「一九六八年に東京の北多摩に生まれた橋本響一は、二十六歳の時に神を映像に収めることに成功した。」

橋本響一の生い立ちから話しは始まる。左目だけが色弱という特殊な障害のせいか、驚異的な色彩能力に恵まれた少年、響一。
ザイールの森から来た狩猟部族の少年ウライネと出会い、中学卒業後にサル学者の従兄とともにザイールに渡る。
一方、農耕部族の少女ローミは、白人の傭兵との出会いにより、聖母としての別人格を育んでいた。
そして、響一とローミは出会い、圧倒的な悲劇が訪れる。

というところまでが、第一部「13」。
息をもつかせぬ怒涛の展開。
狩猟部族と農耕部族の対立、森に棲む魔、土着信仰とキリスト教の融合。
特に、ザイールの部族が、白人(日本人も含む)の文明に霊力を見いだし、自らの力とするために取り込むという描写が興味深かった。

そして、第二部「すべての網膜の終り」。
どうなってしまうの〜??と思わせられたところで、突然、舞台はハリウッド。
新進映画監督と女優が登場して、映画作りの話しがはじまる。

とにかく、響一の造形が魅力的。
冒頭に出てくる「映像に収められた神」というのは、案外あっさりと提示された気がする。そこらへんも、ニクい。

久しぶりに、展開の予想ができない作品に出会った気がした。

古川日出男作。角川文庫。

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