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『そして、ひと粒のひかり』をみた

コロンビアといえば、貧しくて危険な麻薬大国というイメージがあった。
この映画は、そのイメージを払拭してくれるわけではない。
でも、そのような国で(だからこそ?)、人々はひたむきに生きているということを描いていて、「生きる」ということを前向きに考えさせてくれる映画だった。

コロンビアの田舎町。17歳のマリアは家族5人(祖母、母、姉、姉の赤ん坊)を養っている。町で唯一のまともな産業であるバラ園で、トゲ抜き作業を単調にこなす毎日。
しかし、トラブルで仕事をやめることになり、更に妊娠していることが発覚。
お金を稼ぐため、"麻薬の運び屋"という危険な仕事をすることを決意する。

マリアの家族はかなり身勝手なようにみえる。
特に子持ちの姉。自分のことをタナにあげて、マリアが仕事をやめたことをなじる。母もなじる。マリアしか働いていないのだ。
そのせいか、マリアは17歳の美しい女の子なのに生活に疲れている。
ボーイフレンドと会っててもあまり楽しそうじゃない。
それでも、ボーイフレンドに姉の悪口を言われると、怒って反論する。
家族はとても大切なのだ。

そして、麻薬の運び屋としてニューヨークまで旅をする。
麻薬を小さなゴム袋にいれて飲み込んで運搬するという恐ろしさ。

ニューヨークに着いてからのマリアの行動には本当にハラハラさせられる。
でも、無鉄砲としか思えないマリアの行動は「生きる」ための強い意志に満ちているのだ。応援せずにはいられなくなる。

ラスト。マリアの決断とその強い瞳に、こっちが勇気づけられてしまった気がする。

マリアを演じたカタリーナ・サンディノ・モレノ。ベルリン国際映画祭の主演女優賞受賞や、アカデミー賞の最優秀主演女優賞ノミネートも納得の演技。
マリアという名前にふさわしい神々しささえ感じられた。

サブタイトルの"Based on 1,000 true stories"に、考えさせられる作品。

監督は、アメリカ人のジョシュア・マーストン。長編デビュー作だそうだ。
シネ・アミューズ(赤いほう)にて。(公式サイト

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コメント

TBさせて頂きました。
あまりにもリアルな映像、セリフ、描写に、何度も本気で驚いてしまいました。
現実はもっと酷いのかもしれないと思うと更に恐ろしくなります。
ドキュメンタリーや娯楽・商業映画の枠を越える素晴らしい作品だと思います。

bakabrosさん、はじめまして。
コメントとTBありがとうございました。
監督の真摯な姿勢と力量を感じることができる作品でしたよね。
恐ろしい現実を提示する以上のものがありました。
本当に素晴らしかったと思います。

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