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『スリー・タイムズ』をみた

第6回東京フィルメックスのオープニング作品。
まずは、オープニングセレモニー。ディレクターの挨拶、審査員の紹介、審査委員長の挨拶、上映作品の監督である侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の挨拶があった。
映画祭っぽい雰囲気を満喫〜!

上映は、スクリーンには日本語字幕で、下部にプロジェクタで英語字幕投影。

時代の異なる三つのラブストーリィが展開する。

ひとつめは「恋愛の夢」1966年の高雄が舞台。
いきなりのビリヤードシーン。
そして、張震(チャン・チェン)。髪の毛が、、坊主だ。
おっさんくさいかんじだけど、兵役につく少年らしい。
舒淇(スー・チー)は、ビリヤード場の会計係。
ちょっとムード歌謡な雰囲気の淡い懐かしいかんじの恋。

ふたつめは「自由の夢」1911年の遊郭が舞台。
記者(なのか?)、張震。今度は弁髪。(これが結構似合っているのだ)
金持ちっぽい雰囲気がとってもステキ。
舒淇は、遊郭の芸妓。
古い家具調度も美しいサイレント。

みっつめは「青春の夢」2005年の台北が舞台。
カメラ店で働いている張震。普通の短髪。
舒淇は、バンドやっている。退廃的なボーカルがステキ。
携帯電話、インターネット、カメラ、ライブ。
刹那的な愛が悲しい。

面白かった〜、と単純にはいえないけれど、見てよかったと思える作品。
美しい映像に(撮影監督は李屏賓(リー・ピンビン))浸ることができたので満足。

舒淇は、この映画で金馬賞をとったそうだ。
セリフがほとんどないのに、いろいろと想像させられる演技。
彼女の色々な表情がとても生々しかった。

張震、色っぽくなったもんだわ。『愛の神、エロス』でもかなり官能的な演技をみせてくれたけど。
それでも、わたしにとっての張震は『クーリンチェ少年殺人事件』の少年なので、顔が細長くなったものよ、と感慨深いものがある。

終映後のティーチインでは、かなり赤裸々に撮影事情を語ってくれた監督。
以下、メモ。(記憶違いはご容赦を)

Q)監督の映画に対する姿勢はどう変化しているのか?
A)創作は道と同じものだと思っている。たどりつけなくて、終りがないもの。人間とは、という思索は尽きることのない道。
Q)3つの話しで3つの時代。それなのに主人公二人のキャラクタが同じように感じられたのは、意図しているのか?
A)最初の企画では、3つとも別の監督で撮ることになっていた。1966年を私が撮る予定だった。3つとも愛がテーマ。時代をからめながら愛を描くラブストーリィだ。
Q)これまでの監督のスタイルを全て一度にみることができたと思う。内容からスタイルを決めているのか?
A) 最初に撮ったのは2005年のパート。二人が慣れなかったせいで一番時間を費やして、お金がかかってしまった。1911年のパートは、11日間かけた。古 い台湾の言葉を話すことが二人ともできなかったので、サイレントになった。1966年のパートは、6日間しか時間がなかった。舒淇は次回作の予定、撮影監 督の李屏賓には日本での予定(行定監督「春の雪」)があった。それまでの撮影で二人とも良い関係になり、甘い雰囲気をうまく出すことができた。
スタイルは時間的な制約によるもの。
映画の順番。1966年のは自分の思い出を描いていて、二人にも甘いムードがでているので、1番目。サイレントはこの辺でということで2番目。そろそろ慣れてきたところで2005年。というように、観客の忍耐度を考慮した結果で決めた。
Q)タイトルとサブタイトルの関係は?
A) 原題『最好的時光』というのは、その時が一番という意味ではない。それが返らないから美しい、記憶の中だけで美しいということ。
そして、最良の別れのなかの夢とい うこと。「恋愛の夢」ビリヤード場の女の人への淡い恋心。「自由の夢」日本統治から自由になるための夢と芸妓から嫁いで自由になりたいという夢。「青春の 夢」退廃的、虚無的、消費的生き方。

サイレントになった経緯に 場内は大爆笑だった。

2006年に公開されるそう。
原題『最好的時光』『スリー・タイムズ』は仮題。
東京国際フォーラム・ホールCにて

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コメント

こんばんは(^^)
こちらの記事で、監督インタビューを拝見して、なるほどと思いました。
なんとなく、その撮影のバタバタ?が、微妙に作品に影響したのではないかと思いました。
よく言えば即興的、悪く言えばもうひとつ食い足りないというか。
でも、いい作品、素晴らしい作品であることは確か、という不思議な作品と思いました。
欲を言えば、もうひとつ、グッとくるところがあると、大傑作!になった気がする、ともやもやしたコメントですみません(笑)。

わかばさん、こんばんはー。
あまりにも赤裸々な監督のお話に、職人なのだなーと思いました。
こういうQ&Aって、質問と答えがかみ合っていないまま進行していく時がありますよね。この記事でも、?なことが多いのですが、そういう雰囲気だったということで、お許しくださいませ。

わたしの感想も、もやもやしていますー。素晴らしい作品で、観て良かったと思ったことは確かなのです。わかばさんのおっしゃるように、グッとくるところが足りなかったのかな、と。
でも、しばらく後になってからスクリーンで見直してみたいです。

こんにちは。
1966年のパート、ビリヤード場なんかの空気感はゆったりしていて素晴らしいのに、チャン・チェンがスーチーに会いに行く移動の過程があまりにも手抜きな感じだったのが残念でした。が、たった6日間じゃあー仕方ないかという気もしました。もうちょっと費用も時間もバランスよく分けてほしかった。
私はもうスーチーの表情や光の眩さなど、断片にグッときて全体的に浸ることができました。最近の作品の方が好みですー。

かえるさん、こんばんはー♪
初顔合わせの2人の雰囲気は、最初のうちとても硬かったらしいです。
確かにバランス良くという気もしちゃいますよね。それでも、何とかそれなりの作品に仕上げるのが凄いと思いました。
撮影は本当に素晴らしかったです。
特に、ビリヤード場の雰囲気。ゆったりしていて、うっとりでした。

わたしは、『好男好女』『憂鬱な楽園』と続いたあたりで、ちょっと離れました。今思うと、伊能静が苦手だったのです。
そして、『フラワーズ・オブ・シャンハイ』『ミレニアム・マンボ』を観ていないのです。残念っ。
シネマヴェーラの特集が旅行と重なっていなければ、通ったのにー。

こんばんは~♪ TB&コメント有難うございました♪
昨年すでに観られていたのですね^^
うわぁ~Q&Aの内容を良く細かく覚えていらっしゃる!!素晴らしい~! 
今年のは西島さんが監督に問いかけるトークショー形式だったのですが、内容はほぼ同じだったと思います~思い出しました~~(恥)
とにかくスーチーが素晴らしかったですよねぇ 彼女の功績は大きいと思います。
「クーリンチェ~」のチャンチェン。。うくく。。痛ましい話でしたよね。。でもなにせ映像が凄く悪いビデオで観たので なんとかDVD化してもらってもう一度観たいです!!

マダムSさん、こんばんはー♪
すぐに忘れてしまうので、簡単にメモしてました。
それでも、QとAの関連が今ひとつなので、恥ずかしいです。
会場で聞いている時には、「お茶を濁しているなー」とか「質問の答えになっていないよー」とか思っていても、そういうことは忘れてしまうのですよね。

「クーリンチェ〜」は、多分シネマライズだったかな?で、リバイバル上映された時に観ました。心が痛い話ですよね。
わたしは、台湾の監督で一番好きなのがエドワード・ヤンなのです。
といっても、そんなに作品を撮っていないのですが。
どこかで特集上映して欲しいです。

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